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▼ 質問(和田直也)

→先週、6月17日、70年ぶりに公職選挙法が改正され、来年夏の参議院議員選挙より選挙権が18歳に引き下げられることになりました。グローバルスタンダードも広く求められる中で、私は引き下げられたことに伴う今後の成人の定義、また、少年法や民法等、関連する法改正の行方にも注目したいと考えていますし、主体的に社会と自らの存在、社会の一員としての役割や責任を早い段階から考える上で、その可能性に期待をしています。

そこで、まず教育長にお尋ねします。「政治的教養は、教育上尊重されなければならない」教育基本法はそう明記しています。先の法改正を報じる日経新聞には「学校では政治的中立性を重視するあまり、政治の話題を扱わない傾向にあったが、今後は政治的教養を養う教育に力を入れるべきだ。意見がわかれる問題に正面から向き合い、なぜ様々な考え方が生まれるのかを考えさせる教育が特に必要だ」と専門家の見方を掲載しています。つい最近まで中央教育審議会の委員としてご活躍で、国全体の教育方針にも見識をお持ちの教育長として、今回の18歳への引き下げに伴う今後の教育現場での対応をどのようにお考えか、お尋ねします。

続けて、選挙管理委員長にお尋ねします。投票率向上に向けて、今春の統一地方選においてもさまざまな取り組みを講じて頂きました。全国でも多くの試みが見られました。その中でも、大型商業施設等を活用し、気軽に期日前投票ができる投票所の増設により、投票率向上を目指そうとする取り組みは、既に全国のいくつかの自治体で見られましたが、今回、県内では美濃加茂市で導入の動きがありました。聞くところによりますと、今春の岐阜県議選・岐阜市議選に際しても、岐阜市内の大型商業施設からの申し出に基づいて検討の経過が見られたとのことですが、残念ながら条件が合わず、実施には至っておりません。しかし、今後、今回の18歳への引き下げに伴い、いま申し上げた大型商業施設以外にも、駅周辺や中心商店街、大学等の施設を活用して少しでも多くの若年層に投票に訪れて頂ける工夫は必要です。選挙管理委員長の考えをお尋ねします。

▼ 答弁(選挙管理委員長、教育長)

→期日前投票所は現在、市役所本庁舎、柳津公民館、市内8カ所のコミュニティセンターで実施しております。
御質問の商業施設等での期日前投票所の設置でございますが、選挙人の混乱を避けるため、突然の解散による衆議院議員総選挙を含む全ての選挙で同一箇所で行えること、期日前投票所間で投票人の投票済みのデータを共有する必要があるため、全投票所をオンラインでつなぐ必要があり、専用回線の設置工事及びセキュリティー保持ができる等、さまざまな設置条件をクリアする必要があります。既に幾つかの施設では現地調査や協議などを行っておりますが、設置条件をクリアできる施設が現在のところございません。しかしながら、今後も投票率の向上のため、前向きに調査研究を進めてまいります。
また、今国会で満18歳以上の選挙権の引き下げの公職選挙法改正が成立し、大学生は全て選挙権を有することとなり、大学構内の実施については投票率向上に有効と考えており、市内の大学につきましては、前向きに各大学と協議してまいります。

→主権者教育にかかわる御質問に、まず、お答えいたします。
主権者教育──シチズンシップ教育ともいいますが、一層充実させる必要があり、今回の、中学生が議会を傍聴してくれたのもそうした一環です。中学生の公民の授業でこの後学ぶ地方自治を学習するのに、6月議会は最高の機会となりました。生徒のコメントも、もっと難しいことが話し合われているかと思ったけれど、身近なことが話し合われて驚いたというようないい回答を話してくれて、今後も他校にも広げていければと思っております。
教える先生は、政治的中立性に関して細心の注意を払いつつ、近代史の中で多くの血が流れる中で獲得してきた選挙権、被選挙権であるということ、地方自治には戦前には許されなかった直接請求権があることなど、民主主義のすぐれた仕組みを歴史的視点で指導して学ばせてほしいと思っております。さらに、1票の格差の問題、若者の投票率の低さの問題、国政と地方自治の違いなどを、新聞などを使い、具体的な事象を提示し考えさせていく授業が望まれます。学校の生徒会選挙なども模擬的な選挙であり、その際にできるだけ実際と近いスタイルで投票ができるよう場を整えたり、毎年夏に行われる子ども議会をさらに充実させるなども考えられます。
実は私は、若者たちが他の意見に惑わされるとか、ポピュリズムに走るのではないかというような、投票行動自体はそんなに心配しておりません。若者たちは、利害関係に縛られることなく純粋な気持ちを持っているからです。心配しているのは、投票に行かないこと、そのこと自体のほうで、民主主義を守るために選挙の大切さを、小中高等学校はもちろん、家庭においても、子が幼いうちから選挙に出かける親の姿を見せることで教えていかなければならないと考えております。18歳からの選挙制を機に、それぞれの世代がみずからの投票行動を見直す機会になればと考えております。

▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。

■ 進捗度評価 ・・・ ○ 概ね達成・実現 
→商業施設の期日前投票所設置については、現在も調査研究を進めている状況ですが、進展はありません。大学構内での期日前投票所については、今夏の参議院議員選挙から岐阜聖徳学園大学と岐阜大学で開設しています。(選挙管理委員会回答)

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