【H26.06定例会】② 新市庁舎の今後の計画について
▼ 質問(和田直也)
→市庁舎のあり方検討委員会を傍聴させていただいております。既に建てかえが必要と判断された中間報告を経て、現在はその建てかえをどこで行うかについて、現地建てかえと岐阜大学医学部等跡地における移転建てかえに絞りまして、協議が進められているということであります。
先日開かれました市庁舎のあり方検討委員会では、かなり具体的な案や回答もありました。しかし、その案や回答の中から岐阜大学医学部等跡地への移転が最良との印象が既に否めない説明ではなかったかと思われてもいたし方ない様子も見てとれたと思います。
といいますのも、例えば、現地建てかえの案に仮庁舎の案が示されていなかったのも、その1つであります。検討はしたけれども、コストの面からして案には載せなかったという形でもいいので、もう少しほかの案との比較について、丁寧な比較検討の案が示されてもよかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、新市庁舎の規模であります。
先ほども触れました人口減少社会における都市の集約化、それに伴う公共施設の再配置や統廃合にも関連しまして、規模、それに伴う建物の高さについてであります。
市庁舎のあり方検討委員会での市の説明によりますと、建物の規模は4万1,000平米、高さに換算しますと20階程度ということでありました。しかし、本来、岐阜大学医学部等跡地の予定敷地面積からして、4万1,000平米を単純に割り算しますと、地上7階から8階建て程度で済むところでありますが、現地では目下「ぎふメディアコスモス」が建設中、その屋上には太陽光パネルを設置するということで、これに極力影響が出ないようにするために、細く高く積むと、まさにペンシルタワーのようなものを描いているとのことでありました。しかし、候補地のすぐ北側は市が指定する風致地区でありまして、建物の高さや色に至るまで都市景観に配慮するよう市民の皆様に求めておりますし、最近では、国から重要文化的景観にも選定されるなど、金華山や長良川といった、まさに岐阜らしい景観というものをどのように未来に継承するかという点において、20階という高さはふさわしいのかどうか。私は疑問でありますし、大変重要なテーマになろうかと思います。
そこで、まず、敷地内の都合での20階という説明について周辺地域との景観的な整合性はどのように整理しておられるのか、お尋ねをいたします。
次に、移転の場合に係る現庁舎、これは南庁舎を含めてでありますが、現庁舎の跡地利用計画はどうするかという問題であります。
地方自治法第4条第3項の規定によりますと、市庁舎の主たる事務所機能の移転については、議会の出席議員の3分の2の賛同を必要とすると定めております。最近では、府庁舎を湾岸のWTCに移転させようとした大阪府での事例が記憶に新しいところであります。さきの議会答弁からも察して、平成32年度までの新庁舎完成を目指すとなりますと、逆算して本年度中の条例案の提出は避けて通れないと思います。その際の判断材料として、具体的にまでとはいかないかもしれませんが、ある程度の跡地利用案というものを示していくことは、その結果を大きく左右すると思います。
特に柳ケ瀬を核とする中心市街地で事業や商売を営む関係者や住民の皆さんの、市庁舎が今より北上してしまうかもしれないというインパクトは非常に大きいものでありまして、ゆえに仮に移転となれば、現庁舎には現庁舎と同等ないしそれ以上の集約性の高い機能を有する利活用策というのが、是非の鍵を握るのではないかというふうに思います。
現在開かれています市庁舎のあり方検討委員会について、その答申が岐阜大学医学部等跡地への移転となる場合には現庁舎の跡地利用策もその答申に含まれるのかどうか、含まれない場合には、どのようにこれら課題を整理しているのか、浅井副市長にお尋ねをします。よろしくお願いします。
▼ 答弁(副市長)
→次に、新庁舎建設に関する御質問であります。
1点目の、岐阜市庁舎のあり方検討委員会へ提示した資料についての御質問にお答えをいたします。
私は行政運営の基本は市民目線で進めることにあると考えております。特に市の重要な計画や方針の策定はパブリックコメントを初め、市民説明会の実施など、市民の皆様の御意見をしっかりとお聞きすることが不可欠であります。新庁舎建設につきましても、市民の皆様の御理解や合意形成を図ることが極めて重要であると考えております。そのため議論の過程から市民の皆様に参画していただくその一環として、岐阜市庁舎のあり方検討委員会を設置し、公募市民や学識経験者、各種団体の方々で構成される委員の皆様に御審議いただいているところであります。このような外部委員会にお出しする資料は審議に偏りが生じないよう可能な限り客観的なものとなるように配慮いたしております。
今回の岐阜市庁舎のあり方検討委員会においても客観性や公正さに十分に注意を払いながら作成された資料の内容であったと認識しております。しかし、御審議いただく委員の方々はもとより、多くの市民の皆様に御理解をいただくことが大切でありますので、議員御指摘の点につきましては、今後一層配慮をするよう指導してまいりたいと考えております。
次に、2点目の、新庁舎の階数等についての御質問にお答えをいたします。
新庁舎の階数につきましては、去る6月3日に開催された市庁舎のあり方委員会において、委員の御質問に対し、現庁舎敷地及び岐阜大学医学部等跡地におけるおおよその階数を事務局がお答えしておりますが、現時点では未定でございます。
今後、新庁舎の機能や規模、さらには関係法令によって課されるさまざまな規制に加えて、敷地周辺の環境へ及ぼす影響等を踏まえた上で設計をする段階で確定するものであります。また、これらの候補地のいずれも、本市の骨格的な景観要素となる緑地として風致地区に指定されている金華山に近接しており、良好な自然的景観の維持について配慮が必要であると認識しております。
いずれにいたしましても、新庁舎の階数や高さにつきましては、建設場所にかかわらず、今後、設計段階におきまして周辺計画との調和にも十分配慮しながら検討を進めていくことになると考えております。
3点目の、移転となった場合の跡地活用の考え方についての質問にお答えをいたします。
現在、新庁舎の建設候補地につきまして岐阜市庁舎のあり方検討委員会において議論されているところでありますが、仮に移転となった場合、現在の本庁舎を中心に跡地が生じることになります。現時点では跡地の利活用につきましては平成22年に策定された岐阜大学医学部等跡地整備基本計画において、第3期整備として現本庁舎の跡地に仮称・市民文化ホールを整備することが想定されており、これを1つの案としながら総合計画や2期中心市街地活性化基本計画などの上位計画におけるにぎわいの創出、連担や公共施設の配置見直しなどの視点から慎重に検討していく必要があると考えております。
現在、委員会におきましては合併特例債の活用を前提に検討が進められておりますが、平成32年度末に新庁舎が完成すると仮定いたしますと、その後の解体・撤去作業を経て、跡地の整備事業は早くても平成35年度ごろから、おおよそ10年先の着手になると想定しているところであります。
跡地の利活用の検討につきましては公共施設適正配置等に関する委員会において、並行して議論しているところでありますが、現時点での考え方といたしましては中心市街地のまちづくりにとって重要な場所であり、移転後に跡地が未利用地になることがないように速やかに事業着手できるよう利活用を検討していくこと、また、そのロードマップをしっかり示していくことが重要であると考えております。
いずれにいたしましても、今後、仮に移転が決定した後には、先ほど申し上げましたにぎわいの創出、連担等の観点から、専門家や市民の皆様の御意見をお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。
なお、岐阜市庁舎のあり方検討委員会の答申についてでございますが、委員会においては跡地活用についても質疑や議論がなされたと聞いております。しかしながら、答申書の内容は委員会においてまだ議論がなされていないところでございます。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中
→平成26年12月に策定した「岐阜市新庁舎建設基本計画」において、約4万1千平米に設定
→中心市街地におけるにぎわい創出(第2期岐阜市中心市街地活性化基本計画に沿ってハード・ソフト両面において各種事業を展開しています
→基本設計において、関係法令による規制のほか、周辺環境や景観との調和、新庁舎に必要な機能を効率的に組み込むことが可能であるかなど、多角的な観点から検討を進めています。(行政部回答)