【H26.06定例会】① 資産経営計画と庁内体制の構築について
▼ 質問(和田直也)
→公共施設の資産経営計画と庁内体制の構築について浅井副市長にお尋ねをします。
我が国は既に人口減少社会に突入していることは各種報道のとおりですが、総務省は先日も、日本の総人口は昨年からことしにかけて21万7,000人が減少したと公表いたしました。21万人と言えば、特例市レベルの都市が丸ごと消滅してしまうという、そんなイメージでありますが、今後、最も激しいころになりますと、年間80万人ペースで減少するとも言われております。まさに仙台市とか、あるいは千葉市、浜松市、大阪府の堺市など、いわゆる政令指定都市レベルの都市がごそごそと消えていくと、そんなスピードで減少していくことが予測される中で、同時に進んでいくのが少子・高齢化であります。
今議会でも話題になっております消滅可能性都市などという報道もありますが、我が岐阜市も例外なく、向こう50年先には今の42万人口から約10万人が減少して30万都市になるとも、岐阜県統計課の予測データに示されております。
以前の質問でも取り上げましたが、こうした状況下で同時に進行する公共施設の老朽化に対しまして、都市の集約化とかコンパクト型シティーに向けた公共施設の再配置計画、更新計画、統廃合計画、現実的ではない都市計画道路の長期未着手ルートの廃止、その廃止に伴う地区説明など、全庁的にコーディネート・調整し、きちんとした財源をもって計画的に対応していくということは、まさに人口減少社会の事前の一策として大変重要ではないかと考えています。
この問題について全国でも先駆けて取り組まれたのが神奈川県の秦野市でありまして、ここは公共施設白書自体を具体的な行動計画に変えて、市内の各施設の統廃合とか、長寿命化計画とか再配置とか、いずれの施設もそれぞれカテゴライズして対応を進めております。
また、千葉市においては財政当局において資産経営課という新たな部局を開設し、例えば、学校統廃合など、通常は教育委員会と地元代表者で協議されるような案件につきましても、市全体の公有財産の適正管理や再配置による都市の集約化という観点からも全庁的な積極的調整に乗り出しております。
ほかにもさいたま市では、さいたま市公共施設マネジメント会議を設置し、建物の使用状況であるとか、施設そのものの老朽化度合い、トータルコストを調査分析した上での効率的な管理運営を推進する公共施設マネジメント計画を策定し、浜松市や愛媛県新居浜市でも同様に、それぞれの都市の置かれた状況下で既に具体的な行動計画に移行して、人口減少に向けた、備えたまちづくりを進めております。
さらに、国においては総務省が公共施設等総合管理計画を策定するよう全国の自治体に呼びかけているほか、国土交通省もインフラ長寿命化計画をそれぞれ進めていくことを明らかにしております。
岐阜市は昨年9月に公共施設白書を策定しました。インフラ、箱物、プラント、それぞれおおよその老朽化のイメージがつかめました。また、ガイドラインも示されたところです。であればこそ、具体的な行動計画、すなわち資産経営計画を策定し、必要な庁内の連携体制というのを構築していく時期に来ていると考えております。
資産経営計画の策定の是非であるとか、その方向性も含めて浅井副市長の考えをお尋ねします。よろしくお願いします。
▼ 答弁(副市長)
→我が国においては戦後復興期から高度成長期にかけて、経済の急激な拡大や人口増加に合わせて全国的に道路や橋梁、公共建築物など、数多くの社会資本の整備が進みました。それから数十年が経過し、これらの社会資本が一斉に更新の時期を迎え、国や地方自治体においてはどのように維持更新していくのか、厳しい財政状況の中で、どのようにその費用を捻出していくのか喫緊の課題となっております。
国においては、昨年11月に道路、上下水道、公園、学校等の国土、都市や農山漁村を形成するインフラの戦略的な維持管理、更新等を推進するインフラ長寿命化基本計画を策定し、地方公共団体においてもインフラ長寿命化計画、個別施設ごとの長寿命化計画を策定することが期待されております。こうした状況を踏まえ、本年4月22日、総務大臣から全ての地方公共団体に対し、国の動きと歩調を合わせて公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するため、速やかに公共施設等総合管理計画の策定に取り組むよう要請があったところであります。
本市におきましては、昨年9月、公共施設の更新時期やその費用の可視化を図り、一元的に把握し、将来に備えた総合的な対策を検討するための基礎資料となる岐阜市公共施設白書を作成いたしました。これによりますと、今後50年間の合計で建築物については約5,300億円が必要とされ、インフラ資産を含めると、合計で約9,900億円に上る更新費用が必要となる試算結果でありました。本市においても、この白書の結果を踏まえ、平成28年度末の完成を目指して岐阜市版公共施設等総合管理計画策定の準備を進めており、今後の取り組み内容や方針について、岐阜市公共施設適正配置等に関する委員会において協議を進めていくこととしております。
議員御指摘の行動計画については、この総合管理計画の中で本市の公共施設等管理の基本的な方針を定めた後、これに基づいて各施設ごとの所管部局において策定し実行してまいりたいと考えております。また、公共施設の適正配置のみならず、財産としてのマネジメントの観点も必要となることから、先進都市の状況も参考にしながら、全庁的な公共施設マネジメントを行う組織のあり方についても、あわせて検討を進めてまいりたいと考えております。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中
→平成28年度末の完成を目指して、岐阜市版公共施設等総合管理計画策定の準備を進めています。行動計画については、この総合管理計画の中で各施設などの所管部局において策定し、実行していきます。
「(仮称)岐阜市公共施設等総合管理計画」策定業務委託
期間:平成27年6月26日〜平成29年2月28日
受注:中央コンサルタンツ株式会社
(企画部回答)