gikai_H26_03

▼ 質問(和田直也)

→岐阜市庁舎のあり方検討委員会の中間報告が出されました。既に多くの議員も触れておられますが、建てかえすべしとの中間報告がなされております。委員会は私も何度か傍聴をしましたけれども、当局からの説明は既に本会議場でも何度か伺っておりますように、そもそもの現庁舎の老朽化、アスベスト、狭隘な窓口空間、事務空間、バリアフリー等の課題を伺っております。こうした説明を受けての中間報告だったことを考えますと、次の検討課題となる新市庁舎を、では、どこにという点に関する最終報告に向けても当局としてどんな説明をされるのか、やはり確認をしておきたい、そんな意味合いから質問をさせていただきます。
それは現地建てかえか移転建てかえの二者択一となることが容易に想像できる中で、特に後者の場合はかねてより大学病院跡地が有力な候補地とされる中の検討になろうかと思いますが、そうなる場合、仮にそうでない場合でも後者の選択となれば、移転後の現庁舎の跡地問題が当然まちづくりという観点から同時並行で議論されなくてはならないと思うからであります。半世紀ないし100年に一度あるかないかの大きな話を進めようとしているだけに、改めてまちづくりの観点は欠かせないということを申し上げたいと思います。
そのまちづくりにも全市的な点と中心市街地のにぎわいという、この2つの点があるかと思います。全市的な点というのは総合計画ぎふ躍動プラン・21がうたう多様な地域核あるまちづくりと、中心市街地のにぎわいという点は新市庁舎の周辺へ及ぼす波及効果等という点です。前者は機能集約なのか分散なのかも含めた、まさに人口減少社会を突き進む今後の日本社会、あるいは岐阜市の都市構造の変化を見据えたもの、後者は特に集約型都市を目指す岐阜市の柳ケ瀬を核とする中心市街地における公共施設の適正配置を見据えたものになるかと思います。
今後、新市庁舎の規模、機能等の本格的な素案の提示をしていく中で、こうした総合的なまちづくりという点をどのように盛り込んでいくのか、その考え方について企画部、行政部を横断的に統括する藤澤副市長のお考えをお尋ねします。

▼ 答弁(副市長)

→現在の市庁舎でありますけれども、昭和41年の2月1日に竣工したものでありまして、美江寺町にございました旧庁舎が老朽化し、また、狭小となったために建設されたものでございます。美江寺町時代の庁舎は、もともとは鉄筋コンクリートづくりの2階建てでございました。しかしながら、狭小であったために数回にわたって木造で増築が行われ、議会も含めて最終的には3,000平方メートルを超えるような面積となったところでございます。ここに、──これはですね、昭和30年6月1日付の広報ぎふでございます。これにたまたま庁舎の平面図が載っておりますが、この平面図では3階建てになっておりました。この3階が議会棟ということで、議会が入っております。
蛇足ではありますけれども、これ、この広報ぎふは当時の機構改革を紹介した広報ぎふでございまして、後に市長となられました蒔田 浩さんが経理課長へ異動されていると、こんな記事も載っております。
現在の本庁舎は約1万7,500平方メートルということでございますので、その当時といたしましては大変な規模拡大がなされたわけでございます。それでもやはり行政需要の拡大によりまして、やはり手狭となりました。昭和56年の10月には旧の岐阜郵便局の庁舎を取得いたしまして、南庁舎として開庁に至ったわけでございます。
私が申し上げたいのは、このこと1つをとりましても、市庁舎の規模を定める際の大きな要因であります行政需要の変遷、これを将来にわたって予測することは昔も今も極めて困難であると、こんなことを思うわけでございます。
さらに、もう一つ申し上げますと、私が市役所へ就職したとき、まだそろばんが利用されておりました。入庁して二、三年後には電卓が導入されましたけれども、当時の価格で七、八万円いたしました。私の給料の半分ぐらいの値段であったと、こんなふうに記憶をいたしております。
現在は1人1台のパソコンが配備され、カラーコピーも当たり前の時代であると。行政事務を行うに当たっては、コンピューターが最も重要で活用されるツールとなっております。私は、これらのICTなどの科学技術の進歩がいずれは行政サービスにもさらに大きな変革をもたらすと、こんなふうに考えております。例えば、現在でも自宅にいながらインターネットを利用して、テニスコートや体育館、コミュニティセンター等の予約が可能でありますけれども、今後は、より広い行政サービスについてもそれができるようになる。現に税金のほうはe─Taxで、コンピューターでもう税金の確定申告ができると、こんなふうにもなっているようでございます。そう遠くない時期にこういうことが実現するんではないか。折しもコンビニエンスストアで住民票の交付などを行う行政サービスの提供の仕方にも新たな試行が検討されております。
将来的に市民の皆様の利便性の向上と、こういった面からいいますと、現行の事務所で、身近なところでサービスを受ける事務所機能の拡大と、こういったことよりも、ICTの活用等によりもたらされるんではないかなあと、そんな気がしているわけでございます。
これはあくまでも私の私見でありますので、反論もありましょうけれども、殊さらに将来の行政サービスを見通すということは大変困難であり、ひいては本庁機能の行政範囲を見きわめるということは、とても難しいことではないかなというふうに思うわけであります。結局のところ、現行の行政需要を判断のもととして若干の余裕を考慮の上、市庁舎の規模を決めると、こういったことが現実的な落としどころになるのではないかなと、こんなふうに思っております。
いずれにいたしましても、議会及び市民の皆様の意見が決定に当たっての最も重要な要素であることは論をまたないところでございます。
さらに、まちづくりの観点からの見解を申し上げますと、例えば、仮に新庁舎が移転新築となった場合、そこで生まれた新たなにぎわいをどのように中心市街地の活性化に反映させるのかと、こんな課題が生じます。岐大医学部等跡地から岐阜駅周辺に至る地区における歩道、自転車道の整備など、ハード面の整備についてはもちろんでありますが、同地区内で健幸ウォークの際のスタンプラリーなど、地区内一体でイベントを共催すると、こんな取り組みが必要と思います。
また、仮に市庁舎が移転となれば跡地の活用についても「ぎふメディアコスモス」、新市庁舎によって生み出される新たなにぎわいを途切れさせることなく柳ケ瀬地域につなげるために、跡地においても多くの市民の皆様の利用によって新たなにぎわいを創出し、にぎわいを連担させるという視点から、その活用を考えることが重要であると、こんなふうに認識しているところでございます。

▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。

■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中 
→平成26年12月に策定した「岐阜市新庁舎建設基本計画」において、約4万1千平米に設定
→中心市街地におけるにぎわい創出(第2期岐阜市中心市街地活性化基本計画に沿ってハード・ソフト両面において各種事業を展開しています
→基本設計において、関係法令による規制のほか、周辺環境や景観との調和、新庁舎に必要な機能を効率的に組み込むことが可能であるかなど、多角的な観点から検討を進めています。(行政部回答)

11263934_979296578771006_3165631282263892857_n