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▼ 質問(和田直也)

先般の岐阜県知事選挙における岐阜新聞の連載において、この人口減少社会が取り上げられました。その中で地域が抱える問題の1つに、これまで商店街発展会が維持管理してきた街路灯が維持できない、あるいは老朽化しても撤去に係るコストが負担できないといった特集がありました。これは実際に岐阜市内、本荘中学校の近隣にあります本荘銀座発展会が管理をする街路灯の話でありまして、私も実際にこの御相談をいただいて、あれこれ知恵絞りを進めては壁にぶち当たっていると。まさに人口減少やこの都市構造の変化がもたらす問題だと思っています。

この本荘銀座発展会では、かつて20軒ほどあった会員も商店そのものの減少に伴い、今は半分以下の10軒を割り込み、会が維持管理をしています街路灯の1軒当たりの電気代負担に悲鳴を上げる一方で、発展会そのものも解散やむなしと。しかし、その街路灯の撤去費用というのはとても高額で手を打てない事態、問題に直面をしております。
現在、商店街発展会と名のつく、いわゆる地域の商店街は全国に約1万2,000カ所あるそうですが、これも毎年300カ所ずつ減少しているというふうに言われております。何をもってなくなっているのか、それは商店街発展会としての事業が終了を迎えたときで、その大半は街路灯だと言われております。
ただ、発展会は任意団体なだけに早い段階で商店を廃業して退会した方や、既に代がわりをして親の代は商店だったけれども、子どもはサラリーマン世帯だから住宅になっているなど、老朽化する街路灯を目の前に残った少ない会員だけで維持管理をしているというものの、先行き不安と撤去しようにも高額な費用に何も手を打つことができず、この問題を深刻化させているわけです。
しかし、よく考えれば、こうこうとこの地域を照らし続ける街路灯というのは、そこが通学路であれば冬場の下校時には児童生徒に安心、安全をもたらす防犯灯としての役割もあり、受益者は必ずしも商店街に買い物に来られた方にとどまらず、会は脱会したものの、目の前の地域住民にもあると、そんな側面もあると思います。
こうした問題とどう向き合ったらいいかと。基盤整備部においては新年度から進めるLED街路灯の導入に関連をしまして、商店街が管理する街路灯についても、市が規定する幅などの基準が適合すれば移管することも可能だと伺っております。商工観光部が所管する商店街の街路灯については、やはりそれが民間管理とはいえ、長年続けられてきた公益性の高い街路灯についての柔軟な対応、あるいは撤去に係る費用負担の支援策についても検討する必要があるように思います。
同時に、これはアーケードが集中する柳ケ瀬商店街にも言えることです。既に老朽化したアーケードを改修に向けて協議する組合、撤去も視野に新しいまちを描こうとする組合、いろいろあります。撤去に伴っては予想される路面の再舗装や無電柱化、また、雨ざらしを前提としていなかったお店の看板や建物の壁面改修などの支援があるのかないのか。これも撤去という選択をする際には大きな判断材料です。
新年度予算においては、新たに柳ケ瀬周辺連携促進協議会という商工費予算案が上程されていますが、この予算案によってこうした地域の意見集約がきちんと図られることを願っております。国においても防災・減災が叫ばれる中で、もしこうしたこの民間管理の老朽化した街路灯やアーケードが将来そのまま放置されていったらどうなるか。市政を預かる立場としてやはり真剣に考えていかなくてはいけないと思います。まさに大きなテーマである人口減少と都市の集約化に伴う再投資、対応策を検討していく段階に来ていると思いますけれども、商工観光部長のお考えをお尋ねします。

▼ 答弁(商工観光部長)

→アーケードや街路灯などの商店街共同施設は、本来的には設置者である商店街団体が将来的な改築等に伴うコストをも見込んで維持管理していただくものと理解しております。市民の皆様が安全かつ快適に買い物をしていただく環境を提供するという公益性を有し、かつ商店街の活性化に貢献する施設として、市は商店街共同施設の設置や改築、修繕に対して補助制度を設けて支援しているところでございます。また、街路灯につきましては、あわせて電灯料の一部補助もいたしております。このような支援を通して、商店街団体に共同施設の適正な維持管理を求めていくことが私ども商工観光部の責務であると考えております。
昭和30年代半ば以降、相次いで建設された商店街のアーケードの多くが老朽化して、商店街団体は改築あるいは撤去、大規模な修繕といった選択に迫られているわけですが、一方で、商店街団体の構成員は減る傾向にあり、十分な自己資金を確保できず、対策に苦慮しておられることは、議員の御指摘のとおりでございます。アーケード等の改築、撤去、修繕につきまして、国は今年度の補正予算等で補助金による支援を充実していくこととしております。市といたしましても商店街団体が国の補助を獲得できるよう支援するとともに、あわせて市も支援をしてまいりたいと考えております。
が、それには商店街を将来的にどうしていくのか、アーケードは真に必要か否か、アーケードを残すにしろ、撤去するにしろ、その後どのようなまちをつくっていくのかといったことを商店街の皆様が総合的に検討されることが必要であると思っております。とりわけアーケードが集中しております柳ケ瀬周辺の商店街では、新年度・平成25年度に協議会の立ち上げが予定されておりますので、その中で柳ケ瀬が抱える諸課題の検討を進めていきたいと考えております。
また、商店街の街路灯に対する現在の支援策は、先ほども触れましたとおり、街路灯の新設、修繕に対する補助と電灯料の一部補助でございます。あくまで商店街機能の強化、活性化を図ることを目的としております。したがいまして、商店街団体の解散や会員数の減少といった商店街機能が維持できなくなった場合に電灯料補助をしたり、商店街の街路灯の撤去に対して補助することは、商店街振興の趣旨にかなっているとは言えず、現在のところ対応する補助制度はございません。しかしながら、維持することが困難となった商店街の街路灯が点灯されることなく放置されることで老朽化が進み、安全上の問題が発生してくることも十分あり得ますので、今後、行政としてどんな形で支援ができるのか、関係する他部局とともに研究してまいりたいと考えております。

▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。

■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中 
→商店街団体が管理するアーケードや街路灯の共同施設については、管理状況の把握に努めるとともに、商店街団体には商店街団体としての機能がなくなり、維持が困難となった場合には現状復帰し、管理者への占用許可を解消するよう呼びかけています。また県内及び中核市に対して、アーケード維持等にかかる行政の関わり方について調査を実施しており、他都市の事例を参考にしながら、商店街団体とともに対応を検討していきます。なお、住民の安全な生活環境の維持と集客力の向上を図る日ノ出町商店街振興組合のアーケード整備事業が国の「商店街まちづくり事業」に応募し、昨年5月に採択されました。岐阜市としても支援すべく、予算化したところです。今年度事業が本格化し、9月末には工事が完了する予定です。(商工観光部回答)

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