【H23.12定例会】⑧ 広域防災による都市間連携について
▼ 質問(和田直也)
→10月の初め、中日新聞の一面に岩手県遠野市の本田市長が提案をしました沿岸部への後方支援についての記事の掲載がありました。先般この遠野市にて開かれました地方自治経営学会に私も参加してきましたが、まさにこの後方支援による広域防災がメーンテーマでありました。
遠野市においては平成20年5月26日に地震・津波被害における後方支援拠点施設整備についての提案書を国と県に対して出しておられます。内容は陸前高田、釜石、大船渡、大槌など、三陸沖の隣接市町に対しまして、内陸約40キロの遠野市が陸路を使っていざというときには後方支援をすると、その拠点整備を提案するものでした。防災担当職員としてノウハウを培った県庁職員出身の本田市長のまさに先見の明によるこの提案は、この今回の大震災を受けて改めて全国からも注目を集めております。
この提案を岐阜市に置きかえてみますと、どんな対応ができるんだろうか、私もいろいろと考えておりますが、遠野市と同じように内陸であり、津波の被害については安全性の高いこの岐阜市が被災した地域に対してどういった支援が可能なのか。例えば、ドクターヘリ離着陸可能なヘリポートは岐阜市民病院や大学病院、県病院を初め、市内に6カ所立地をしております。空路を使った広域防災についてはどう考えているでしょうか。
また、広域防災による都市間連携は今、全国的にも大きな議論を呼んでおります。大規模災害時には周辺市町も同時に被害を受けるということが想定されることから、遠方の自治体と手を組む例も聞かれます。岐阜市の既存施設を生かした広域防災について都市防災部長のお考えをお尋ねをします。
▼ 答弁(都市防災部長)
→今回の震災で岩手県の場合、比較的被害が少ない内陸地の遠野市、盛岡市、久慈市、一関市が後方支援の拠点市となり、沿岸地域の被災した市町村を支援をしております。議員御発言のとおり、遠野市では4年前から宮城県沖地震による大津波の発生を想定して地理的条件などから後方支援拠点としてハード、ソフト両面の体制整備を進めたことにより、沿岸地域への支援がスムーズに行われたものと考えております。
本市におきましても東海地震などの影響が懸念されている中、超広域的災害に備えて応援体制の強化を図っていかなければなりません。現在、県内市町村との応援につきましては、平成9年度に締結をしました岐阜県及び市町村災害時相互応援協定により行うこととしております。また、県外市町村との応援につきましては、平成8年度に尼崎市、神戸市、藤沢市、奈良市の各市と、平成20年度には富山市と個別協定を、さらには、現在、全国41の中核市で包括協定を締結をしているところでございます。しかしながら、広域的な災害では地方自治体間の水平的な交流も必要と考えられますことから、現在、交流を行っています富山市を初め、市町村同士の関係を深めるとともに、新たな都市間交流を図るなど、相互に支援をし合える体制づくりを構築してまいりたいと考えております。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ ○ 達成・実現
→南海トラフ巨大地震など広域的な災害に備えて、応援体制の強化を図るため、積極的に都市間応援協定締結の推進を図ります。
→平成24年には全国鵜飼サミット関連自治体間による災害時における相互応援に関する協定を締結、その後、中核市災害相互応援協定も新たに締結しています。