【H23.12定例会】④ まちなか居住へ向けた政策的優遇策と制度改正について
▼ 質問(和田直也)
→先日、都市計画審議会で決まった高島屋南地区再開発計画、駅前のシティ・タワー43、スカイウイング37と、このところ岐阜市が進める集積地計画はタワーマンションと商業施設から成る複合ビルというふうになっています。注目するのはいずれも大型タワーパーキングが整備されるという点です。いわばまちなか居住を進めます。そして、車社会もいいですよと、現在の拡散化した岐阜市のまちの実態をも肯定しているように聞こえます。
岐阜市には中高層の建築物について岐阜市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例と、ちょっとこの長い名前の条例がありますけれども、ここに駐車場の規定が設けられております。特に注目すべきはワンルームマンションについてです。この条例では戸数の半分以上の駐車場を確保するように定めています。つまり10人の入居者がいますと、5台以上の駐車場を確保せよと、こういうことです。路上駐車による近隣住民とのトラブルを避けるためのものと説明をいただきましたけれども、私が言いたいのは、こうした規定というのは岐阜市内でも中心部と郊外部と、岐阜市が目指している政策に合うように地域的な変化を持たせてもいいのではないかということです。つまり、まちなか居住を推進する中心市街地においては私は車は要りませんと、歩いて便利に暮らせるまちなかに住みますという選択をされる方には、例えば、公共交通への特典を付与するなどの政策的な優遇を、そして、制度的にも今、触れた条例については、岐阜市が定める中心市街地においては除外するなど、地域に似合った制度運用あるいは制度改正をしてもいいのではと思うのです。まちなか居住を進めます。そして、車社会もいいですよと、これでは広域交通政策を初め、公共交通の時代はいつまでも訪れません。これらについてまちづくり推進部長はどう考えているのか、お尋ねをします。
▼ 答弁(まちづくり推進部長)
→急速に進展する少子・高齢社会に対応するため、岐阜市におきましてはまちなか居住の利便性のさらなる向上を目指すとともに、スマートウエルネスやスマートシティといった考え方も取り入れたコンパクトシティーの実現を目指しているところでございます。まちづくり推進部で行っておりますまちなか居住の推進に向けた取り組みといたしましては、中心市街地において新築住宅を取得した方に取得費用の一部を助成する中心市街地新築住宅取得助成事業と、中心市街地及びその周辺エリアに立地する民間の賃貸住宅に市外から転入してみえた方に家賃の一部を助成する、まちなか賃貸住宅家賃助成事業を今年度からスタートさせたところでございます。これらの助成事業は、まちなかの定住人口を増加させることにより、中心市街地のにぎわい創出をするとともに、これらの方々が近くの商店を利用して買い物などをして日常生活を送っていただくことで、商店街を活性化することを目的としております。
議員御提案の車を所有しないことに対する優遇策についてでございますが、結果的に自家用車の利用が減少すれば、交通事故の減少や環境に対する負荷の軽減などが期待されますが、自家用車を所有しないというライフスタイルを志向する方々がどの程度おられるかといった不確定な要素もございますので、自然共生部が実施しております電気自動車のカーシェアリングの社会実験の結果等も踏まえ、その必要性について研究してまいりたいと考えております。
続きまして、議員御指摘の岐阜市中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例の駐車場設置基準につきましては、公共交通機関が整備された中心市街地などにおける運用の見直しについて前向きに調査研究してまいりたいと考えております。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ ○ 達成・実現
→岐阜市中高層建築物の建築に係る紛争の予防および調整に関する条例施行後の対象建築物について、住戸数に対する実際の駐車場設置率を調査したところ、多くで努力目標を達成していることを確認しました。