【H23.12定例会】② 県都としての産業立市について
▼ 質問(和田直也)
→私は市長が掲げる4つの立市のうち、この産業立市については一番特徴の弱い分野だと思っています。私は以前から市長が岐阜市をボストンのようなまちにしたいというふうに語っている中で、ならば教育だけではなく研究機能、すなわち頭脳集積を進めていかないと情報社会における都市の発展にはつながらないということを申し上げてきました。幸い岐阜市は県庁所在地です。この県庁の存在が頭脳集積において県内の他都市に比べて極めて優位にあるということを、市政発展のためにもっと戦略的に生かさなければいけないというふうに思います。
例えば、都市銀行や証券会社など、大手金融機関の支店機能はほとんどが県庁所在地にあります。そこには民間キャリアの優秀な人材が東京から赴任をしております。商工観光部長は岐阜市内にあるこうした大手金融機関の岐阜支店の支店長の名前は言えますか。交流はしておりますか。私は岐阜市が東京事務所を構えていることについては理解をしておりますし、何度かお訪ねをしまして、その取り組みも直接見てきました。しかし、東京からも多くの人材がこの岐阜市に来ております。私の大学時代の同級生で、こうした大手に就職した仲間は、ちょうどこの年代ですと地方の現場で修行を積んでいます。そこでは地元経済の動向はもちろん、市役所や県庁など、行政による産業政策もきちんと勉強し、マーケティングに生かしております。こうしたノウハウを持って将来は東京本社に戻り、結果として東京には多くの情報が集まるわけです。
私はこうした状況はとても惜しいというふうに思います。こうした人材が岐阜にいる間にもっと岐阜市発展のために知恵をかりてはどうでしょうか。情報社会における都市戦略、産業立市という都市ビジョンはまさに県都という岐阜市の優位性を生かしたものを期待しておりますが、商工観光部長のお考えをお尋ねをします。
あわせまして岐阜市内におけるこうした大手金融機関は岐阜市の玄関口であるJR岐阜駅、あるいは名鉄岐阜駅周辺の神田町通りに集積をしております。しかし、金融機関なだけに午後3時にはすべてシャッターがおりてしまうわけです。岐阜市のメーンストリートにおいて3時でシャッターが閉まるというのはいかがなもんでしょうか。このところ話題を欠かさない大阪市においては、メーンストリートの御堂筋で、この御堂筋沿道建築物のまちなみ誘導に関する指導要綱というものを平成7年から始めておりまして、例えば、建築物の低層部分においては町並みににぎわいをもたらす施設の設置に努めることというふうにうたうなど、金融機関を含めたあらゆる施設に対して協力を要請しております。にぎわいの規模はもちろん比較にはなりませんけれども、岐阜市の玄関口ににぎわいをもたらす制度的な工夫を施すことは産業立市にも大いにつながる政策だと思います。商工観光部長のお考えをお尋ねをします。
▼ 答弁(商工観光部長)
→まず1点目、県都である岐阜市内には都市銀行が3行開設されている。そういった方の人材を活用できないかという御提案でございましたが、議員御紹介のように、都市銀行や大手証券会社にお勤めの方の中に、地方の状況とともに、国や大都市の経済動向や自治体による地域の活性化に向けた取り組みに精通した人材が大勢いらっしゃることと存じます。岐阜市におきましては国を初め、東京や全国の動きを迅速に察知するために東京事務所を開設しておりますが、民間の皆様の情報網も重要なものであると考えております。商工観光部ではこれまでも本市の中小企業融資を進める上で大きな役割を担っていただいている地方金融機関や都市銀行の皆様と金融懇談会を開催し、融資制度を主なテーマとしておりますが、岐阜市の中小企業支援策に関する情報交換を進めております。今後もこのような機会などを活用しながら、融資側面にかかわらず、それ以外のさまざまな情報を収集し、本市経済の活性化に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の、長良橋通りで金融機関関係のお店は3時にシャッターが閉まってしまう、さみしいのではないか、それを活用できないかという御提案でございますが、確かに長良橋通りの状況を見てみますと、商業や教育関係の施設とともに、金融関係の店舗が多く並んでおり、3時にシャッターが閉まるお店も多いことは承知しております。中心市街地の活性化は本市の大きな施策の柱でございますので、先ほど申し上げました金融懇談会の場も活用するなどしながら、にぎわい創出に向けた取り組みについて関係機関に協力を働きかけてまいりたいと考えております。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中
→市内に本店や支店を置く金融機関を対象とした金融懇談会を年2回開催しました。市融資制度及び経済情勢について、情報交換を行うとともに、市内の産業振興について意見交換を行っています。また、岐阜商工会議所幹部と商工観光部や関連部局の幹部が、岐阜市の産業振興や活性化について、意見交換を行っています。(商工観光部回答)