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▼ 質問(和田直也)

→先日、全国で唯一、食肉センターの中の、いわゆる屠畜現場を一般公開しております兵庫県加古川市へ行ってまいりました。愛らしい目でこちらを見ていた牛が目の前で解体されていくさまは、時折目を伏せたくなるような、そんなシーンでもあります。同センターにおいては、昨今の食の安全性への消費者ニーズの高まり、国においては消費者庁の設置、また、教育面からは食育の推進などから、そこで働く方々とのさまざまな議論の末、屠畜から枝肉に加工されるまでの一般公開に踏み切ったところであります。屠畜の現場については過去の歴史という視点の議論があることは十分に承知をしております。しかし、加古川にとどまらず、東京都や名古屋など公開への取り組みに積極的なセンターもあらわれ始めていることは、時代の要請、時代の変化の兆しでもあるというふうに思います。
現在、岐阜市の食肉地方卸売市場においては、施設の老朽化を初め、養老、関、また、休止中の大垣など、岐阜県南部地域のセンター機能の今後のあり方が検討されております。今後これら施設の機能集約や効率的なオンライン化の推進、より衛生的な解体手法の導入など、食肉の安全確保の向上に向けて検討に入る際には、ぜひこれらラインの一般公開という視点も加えていただきたいと思います。
実はこの質問につきましては、2年前の議会で公明党の辻議員が、「命のいただき方」、「食育」というテーマをこの議場で取り上げられてから私も関心を持ったのがきっかけであります。その後、俳優の妻夫木 聡主演の映画「ブタがいた教室」や、ジャーナリストの森 達也氏の「いのちの食べかた」など、私たちが毎日生かされていると、その源を考えさせられる、そんなテーマがあちこちで見受けられるようになっております。
実際に加古川の食肉センターについては、中学校を対象とした社会見学の受け入れに熱心で、いじめがなくなったと、あるいは1回1回の食事で食べ残しがなくなったなど教育面での効果を報告する声があるほか、消費者の安全の見える化の観点から評価する声が多くあるようです。さらに、働く方々への心のケアや牛そのものの鎮魂という点から慰霊祭をとり行うなど、センターの取り組みを全面的に公開されているということなどを踏まえて、私は物事は決して切り身で論じてはいけないと、最初から最後までできる得る限り一部始終を見て初めて論じていくことがよりよい相互理解をはぐくんでいくというふうに、そう考えております。
物理的課題の改善策を講じる際の今日の社会的・時代的要請にどうこたえていくのか、農林部長のお考えをお尋ねをします。

▼ 答弁(農林部長)

→一般公開している近隣の施設には、平成19年に移転改築されました名古屋市中央卸売市場南部市場などが一般の見学者を受け入れております。これらの施設は見学者を受け入れるに当たりまして、食肉の衛生及び見学者の安全に配慮し、食肉処理ラインと見学者を確実に分離できる見学者用の通路が設置されております。しかし、岐阜市食肉地方卸売市場は、御存じのように、昭和42年に設置された施設でありまして、見学者の受け入れに当たり、食肉の衛生、見学者の安全を確保する施設が整備されておりません。また、現在、岐阜市食肉地方卸売市場においては、口蹄疫、BSEなどの家畜伝染病の予防が重要な課題となっておりまして、関係者以外の入場については御遠慮いただいております。
今後の施設整備におきましては、平成21年5月に関係市町や食肉生産、流通などの関係団体によりまして、岐阜県食肉基幹市場建設促進協議会が設立され、同様な課題を有する美濃地域の岐阜市食肉地方卸売市場、関市食肉センター、養老町立食肉事業センターを統合し、国の補助事業の対象となる民設民営によります食肉基幹市場の早期建設を促進するための活動をしております。
議員御指摘のとおり、命のとうとさを考えることは食育の観点からも非常に大切なことでありますし、食肉市場の現場を消費者の方に広く知っていただくことも必要なことであると考えております。新たな食肉基幹市場の設置に当たりましては、効果的な施設公開のあり方について研究を行い、多くの方々に見学していただける施設として整備されることを同建設促進協議会に対して提案してまいりたいと考えております。

▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。

■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中 
→新たな食肉基幹市場の設置にあたり、一般の見学者を受け入れ、見学ができるような施設として整備されるよう建設促進協議会等に対して提案していきたいと考えていますが、解体ラインの見学については、さまざまな意見があることを踏まえ、教育委員会等とも連携して対応したいと考えています。(農林部回答)

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