【H23.06定例会】③ 晩婚化対策としての婚活支援について
▼ 質問(和田直也)
→6月15日号の広報ぎふに市長も記されていますが、東日本大震災を受けて、家族のきずなを求めるという傾向なのか、まあ、このところ結婚相談所に訪れる若い世代がふえているようです。少子化対策、未来の日本の国力維持においても晩婚化対策というのは、大変重要な分野だというふうに思います。会社の勤務形態など、労働政策の分野にも関連してくるものの、最近では、村を挙げて、まちを挙げて、我がまちに、あるいは我が村に嫁さんをといううたい文句で畑で婚活イベントを実施したり、あるいは料理教室婚活を開催したりと、まあ一緒に何かをしながら、男女の出会いを直接的かつ積極的に支援する自治体がふえております。
岐阜県内におきましては、大垣市、高山市、多治見市を初め、16の市町でお見合い事業、いわゆる婚活支援を行っております。とりわけ大垣市においては、今年度、青年団体のOBなどによって構成されるかがやき婚活事業「水都おおがき 縁むすび」といったプロジェクトが展開され、和菓子づくりを通じて、あるいはスイーツパーティーなどを通じて御縁を求める若い青年への支援を積極的に行う準備が進んでおります。
こうした中、岐阜市内の青少年育成市民会議の地区役員さんを初め、市民団体などから、仕事で忙殺される日々を送る現代の20代、30代の若者を何とか支援したいと、出会いの場を通じて、将来の青少年育成の担い手を支援したいという提案や要望を複数いただく機会がありました。晩婚化という全国的な課題というのは、時代の変遷とともに現代社会が抱える1つの大きな課題であり、根本的な解決策としては、もっとほかの社会制度的な、あるいは国家的に取り組まねばならない分野なのかもしれません。
しかし、地味でいいから出会いの機会が欲しいと、まあ、こういう若年層の素朴な幅広いニーズからしても、1つの処方せんとして、自治体が情報提供の支援を行ったり、機会を設けるなどの支援を実施すること、岐阜市として何かそういった若者の背中をこう押してあげるといった側面的な支援というのが、あるいはメッセージないし方針が示されることは、今日的な課題からしてもあってもいいのではないかなというふうに思います。
欧米諸国では高校に入るとプロムパーティーといって、男子学生が女子学生をパーティーに誘いまして一緒にダンスをすると。そうした中で、いわゆるレディーファーストのマナーを学んだりする教育の機会が学校のカリキュラムとして存在をしています。よくハリウッド映画のワンシーンでもそんな場面が出てきますし、私も1年間在学しましたアメリカの高校でそんな機会に恵まれ、よい意味で、とてもカルチャーショックを受けたという思い出があります。各国の文化的背景から日本では難しいかもしれませんが、まあ教育的な観点から今日の晩婚化対策を考えることも、今後、研究課題に上げてもいいのではないかなというふうに思います。
家族のきずな、その原点の男女の出会いというのは、人それぞれの御縁にゆだねられていることではありますが、しかし、日本社会全体の課題としても挙げられる少子化にもつながっていく、こうした社会的課題について、改めて岐阜市としてのかかわり方や考え方を示していいのではないかと思いますが、福祉部長の考えをお尋ねをします。
▼ 答弁(福祉部長)
→平成23年3月に内閣府から結婚・家族形成に関する調査報告書が発表されております。これは20代から30代の男女1万人に対する結婚と家族形成に関する当事者の意識や、地方自治体が実施している少子化対策事業を調査分析したものであります。報告書によりますと、未婚者の中で「将来結婚したい」人は86%で、多くの人が結婚を望んでいることがうかがえますが、結婚しない理由は、「適当な相手にめぐり会わない」が56.4%、「出会いの場所がわからない」が42%となっております。また、男性では、「どのように声をかけていいかわからない」が37.9%、「恋愛交際の進め方がわからない」が32.3%で、異性とのコミュニケーション力に関する不安が上位を占めております。現代の若者が異性と交際する上で、どのようにコミュニケーションをとったらよいのかわからない、出会いの場所がないという大きな障壁により結婚に至ってない状況が浮かび上がっております。
これに対する本市の施策ですが、1番目の、異性とのコミュニケーションにつきましては、男女のよい関係の第一歩のために、男女がともに共感し合うことのできる暮らし方や考え方を見詰め直す講座としまして、「幸せになるためのコミュニケーション講座」を女性センターで定期的に開催しております。
しかし、2番目の、出会いの場所がないという課題に対する施策は、現在、本市にはございません。さきに引用しました報告書でも出会い事業を行っている市区町村は全体の24%ほどで、行政として行うかどうか各自治体で判断が分かれていることがうかがえます。したがいまして、今後、行政として実施する場合は、どこまで、どのように支援ができるのか、議員御紹介の事例も参考にしながら、関係各部とともに研究してまいりたいと考えております。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ ○ 達成・実現
→柳コン(岐阜市後援、開催実績4回)など、街コンが活発に開催され、男女の出会いの場は確実に増えている傾向にあります。今年度、20歳代の男女3000人に対して、結婚観や市に望む結婚支援策などを尋ねるアンケート調査を予算化しました。このアンケート結果をもとに、少子化対策の実施計画である次世代育成支援対策行動計画(計画期間:平成27年度〜31年度)の策定の中で施策を検討していきます。