【H20.09定例会】① 自転車による総合交通戦略について
▼ 質問(和田直也)
→まちのにぎわいを取り戻すために岐阜市が進めるあらゆる方針にも合致したひとつの大切なキーワードは、「歩くことを基本としたまちづくり」ではないかと思います。
まちなかの平均的な移動範囲とその交通手段としては、徒歩圏域では約500メートル、自転車圏域では約1.5キロとされています。先般、議員インターンシップの大学生の皆さんと共に街へ出向き、丸一日かけて中心市街地にやってくる自転車利用者の聞き取り調査をしてみました。ポイント別に結果を記しますと、柳ヶ瀬や岐阜駅にやってくる自転車利用者は、この説に則るかのような結果が得られました。ただ、さらに正確な結果を得るには、時間別・曜日別など、あらゆる角度からより信頼のおける調査が必要となります。
現在、環状道路完成に伴い、既に市街地への自動車乗入れが減少傾向にあり、今後は、車道1斜線分を自転車専用道へ転換を図るなど、これからが正念場となりそうです。
もう一点、岐阜駅北口の自転車環境についてです。岐阜駅北口には横断歩道がないために、自転車は大きく迂回する必要があり、陸の岬が存在しています。さらに、名鉄岐阜駅前のわずか約2メートルの狭い歩道に歩行者・自転車の通行が過密していることを考えると、平面交差など交通環境の改善が課題になってきているように思います。こうした現状をどうご覧になりますか。また単に通行量を調査するだけでなく、その移動実態も聞き取り調査する必要性についてはどう考えますか。
▼ 答弁(企画部長、基盤整備部長)
→本年度、集約型都市構造の実現に向けたまちづくりを目指し、徒歩、自転車、自動車、公共交通、全ての交通手段を対象とした、ハードとソフト両面からなる総合的な交通戦略を策定することとしています。
特に自転車については、環境負荷の低い交通手段として見直され、通勤通学の手段としての利用も多く見られます。しかし、自転車を取り巻く環境は、歩行者と分離された走行空間やネットワーク化された走行空間がないことから、自転車関連事故が増加しており、安全な走行空間の確保が求められています。
そこで、自転車の走行環境について詳しく調査を行い、その成果を踏まえ総合交通戦略を策定していきます。(企画部長)
名鉄岐阜駅周辺は、自動車交通量も多く、危険な状況にあります。歩道には、バス停、アーケードの支柱、配電盤等が設置されているとともに、バス待ちの人を含む歩行者、自転車が混在しており、自転車走行空間が十分に確保されていない状況であると考えています。
こうした自転車利用の課題を解決するため、主要な地点における自転車交通量の実態調査や、「どこから来てどのルートを通るか」などのアンケート調査も実施していきます。この調査結果をもとに、走行環境の問題点を把握し、自転車走行ルートの検討をすることとしています。
また、将来の自動車交通量に基づく必要な車線数の見直しに併せて、自転車道などの計画を作成していきたいと思います。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中
→岐阜市総合交通戦略の中に自転車を位置づけるため、2008年9月から10月にかけて、JR岐阜駅から長良川までの中心市街地を対象区として、自転車移動実態調査と市内9つの高校の生徒や岐阜駅周辺5か所の駐輪場利用者にアンケート調査を実施しました。この調査結果に基づき、自転車走行環境改善計画を2009年3月に策定しました。現在、この改善計画に基づき、自転車走行空間の具体的な整備計画を策定するため、自転車道の社会実験を実施するため、警察、地元自治会などと調整をしています。このほか、サイクル&バスライド駐輪場整備を進めていきます。
(09年09月現在 – 企画部、基盤整備部 回答)