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【 新庁舎設計業務に疑問( 17/02/24 fri ) 】この2年間たんたんと問題視し、たびたび市長にも議会質問してきた岐阜市の新庁舎設計業務ですが、ようやく明るみに出てきました。今朝はエレベーターについて特集されていますが、これは問題の本質ではありません。そもそもプロポーザル選定委員会で当選した9階建ての低層庁舎が一般公表されず、内部協議で18階建て高層庁舎へ大幅変更されたプロセスが殆ど公開されていません。将来世代にわたる維持管理費・コスト計算の比較表(9階建てから18階建てに変更するならば、60メートル以上の高層建築物として大臣認定事業となり、航空障害灯など付帯設備も増えるため、低層案との比較は当然です)も含めてきちんと説明責任を果たすべきテーマです。私は建設には賛成ですが、設計には疑問の立場です。

関連するテーマを以下抜粋してご報告します。

平成28年 第5回 定例会議会質問・新庁舎設計に疑問(行政部長へ質問)

新庁舎建設について行政部長にお尋ねします。私は建設には賛成の立場ですが、設計には疑問の立場です。先日、佐藤総合計画が作成した市側との議事録を議員依頼調査で頂きました。以下、お尋ねします。

プロポーザル審査委員会が選定した低層庁舎の原案とその後の高層庁舎の基本設計案との比較について

 

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それは、プロポーザル審査委員会が選定した低層庁舎の原案とその後の高層庁舎の基本設計案とのイニシャルコスト・ランニングコスト及びレンタブル比の比較についてです。本来この新庁舎プロポーザルで佐藤総合計画が提案した案は9階建ての低層庁舎で、提案文書にもはっきりと「質実剛健、周辺の景観に調和した低層庁舎とする」と明記されていました。しかし、佐藤総合計画が作成した市側との協議議事録によりますと、選ばれた直後の打ち合わせで「10階、12階、14階、16階、18階、20階の6案を提示すること」と市側が指示しています。私は、プロポーザルが設計者を選ぶシステムであることは理解しています。ゆえに、通常は選定された設計者が提案した案を全面公表するはずですが、岐阜市は昨年5月の時点で、概要だけ公表して、肝心の建物形状を示すパースを公表しませんでした。その時点から私は市の進め方に疑問を持っています。応募した4社中、落選した3社のうち2社は高層庁舎を提案していたとも伺っています。提案そのものまでゼロベースで進めても良いのか、その場合の審査委員会の審査とは何だったのか。後に審査に関わった委員の方からは「私は低層が良いと思って佐藤総合計画の案を選んだ」と伺っています。この間、政務調査によって得られた他都市の新庁舎建設事例でも「高層庁舎を提案した業者は落選して、低層庁舎を提案した業者に高層庁舎を依頼するという、選定された業者が提案した建物形状そのものを変更するという岐阜市のやり方はあまり聞いたことがない」とするコメントを自治体関係者より頂いており、やはり此度の岐阜市の進め方に違和感があることは否めません。

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高層建築物とくに60メートルを超える建築物は大臣認定事業となり、スプリンクラーや航空障害灯など、低層庁舎では不要だった構造・設えが必要となります。また、各階の事務スペースを決めるレンタブル比においても、低層庁舎と比べて将来の組織再編にも対応する姿として望ましいのか、合理的な説明が必要です。

佐藤総合計画の議事録によれば「比較検討項目に全体工事費を設けること」と市側が指示しています。まさに日影のシミュレーションと同様に全体工事費の比較表を公表し、市民の皆様に丁寧に説明する責任があると考えますが、お答えください。

平成28年 第1回 定例会議会質問・新庁舎設計に疑問(市長へ質問)

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私は、この新庁舎の建設には賛成の立場です。これまでも、議決を含めて応援の立場でかかわっております。であるがゆえに、このたびの岐阜市新庁舎基本設計策定は、市長の方針を十分に理解した上で今後の議決に臨むためにも、率直にお尋ねしたいというふうに思います。

質問は、先般行われましたパブリックコメントで寄せられた御意見、そして、議員依頼調査により御提供いただきました佐藤総合計画と岐阜市との間で行われたこの定例会議の議事録、この2点の資料に基づきまして、以下、5点お尋ねをしたいと思います。
1つ目、建物の形状についてです。
昨年6月に行われた第1回目の会議録によりますと、プロポーザルのときに設計業者が技術提案書で示した9階建ての原案に加えまして、12階、14階、16階、18階、20階の6案から絞っていく方針としたいと、新庁舎建設課が設計業者に求めております。その理由、最初の段階で倍の高さの案まで提示するよう求めた理由についてお尋ねをいたします。
2点目、資料の公表についてであります。
18階建て、地上80メートルは、建築基準法の規定による高さ60メートルを超える超高層建築物となり、大臣認定が必要であり、非常用エレベーターなど原案にはなかったコストが発生いたします。昨年のプロポーザルでは、実際に応募のあった4者のうち2者は高層庁舎を提案したと伺っておりますが、その2者は落選をし、一方で、低層庁舎を技術提案書で示した佐藤総合計画は設計者として選ばれながら、その後、高層庁舎に大幅変更されたのでありますから、発注者である岐阜市は、低層から高層に変わり、それを最適解と説明する上でも、イニシャルコスト、ランニングコストについて6案の比較表を公開する必要があると思います。
また、これはパブリックコメントからの抜粋でもありますが、レンタブル比、すなわち床面積に対する事務スペースの比率に対しても、執務スペースの十分な確保、将来の組織再編、機能性という点で検討された9階建ての原案から18階建て案までの6案の比較表がオープンにされなくてはいけないのではないかと。あるいは内部検討の結果、昨年の7月に市長に提示されたとする10階、14階、18階の3案の比較表でもよいと思いますが、私もこの間さまざまな全国の新庁舎建設のプロセスを視察、拝見するに、こうしたプロセスを公開するということは、何より透明性が確保され、最適解とする明確な理由づけにもなると思いますので、とても有意義なことではないかと思います。資料の公開について、お考えをお尋ねしたいと思います。
3点目は、外観の色彩についてです。
外観の色彩は、メディアコスモスの方立、すなわち窓枠とか、外壁のことですけども、その茶色と同系色にする必要はないので、白系統の明るい色彩とすることとの市長の要望に対して、了解しましたと記述されております。色彩は、周辺との景観調和の点で極めて大切なテーマです。メディアコスモスへの配慮が重要、あるいは周辺との景観調和が重要と説明される中で、市長が白系統がよいと考えた理由を教えてください。また、新庁舎の外観が白系統でもってメディアコスモスに配慮されたとするならば、それをベースに景観審議会を開催、あるいは佐藤総合計画が提案するように、今後の実施設計の段階では、市民の皆様とのワークショップも開催し、オープンな場で、本当に白系統でいいかどうかきちんと検証する場を設けることも有意義ではないかというふうに思いますが、お考えをお尋ねします。実際、秋田市など全国の新庁舎建設のプロセスでは、庁舎の形状あるいは色彩については、幾度もシミュレーションを行ってその過程を公開しております。検証する場の設置についてお尋ねをします。
4点目は、周辺の景観行政についてです。
まちづくり景観課がバイブルとする岐阜市景観計画でありますが、新庁舎建設予定地から北東へ200メートル、300メートルの場所は、金華地域の歴史的町並みを保護するために、高さ制限20メートルと上限を課しております。これは、目で見える距離だというふうに思いますが、程度問題とはいえ、高さ20メートルに指定する区域から一歩出れば、最低80メートルの高さまでは建ててもよいという事例を今度の新庁舎で示すことになりかねませんが、本当にこうした事例を未来の景観行政に向けて許していいかどうか、懸念が拭えないところです。建設予定地の京町地域においても、大切な歴史的町並みがたくさん残っております。もう少し、今後の景観行政、特に高さへの配慮が必要ではないかと思います。例えば、まちなか居住政策でまちなか居住重点区域、その周辺を促進区域とするように、高さ20メートルの規制区域から周辺500メートル区域は四、五十メートルまでなど、未来の岐阜市の都市景観を段階的に構想する準規制区域を新たに指定し、バランスのとれた景観形成が必要ではないかというふうに思います。私は、高層ビル全てがだめと言ってるわけではありません。あくまで司町というこの歴史的町並みに極めて近接する場所で建設する高層建築物のあり方についてお尋ねをします。パブリックコメントでも、新庁舎の形状についての声が非常に多く、中には未来の岐阜を担う中学生からも高層庁舎に心配する声が寄せられております。市長も行政部長も、従前より高層化については市民の皆様から懸念の声が寄せられており、十分に配慮した設計にしておくというふうに、この場所で答弁を重ねておられます。準区域の新設については、ぜひよろしくお酌み取りいただき、市長の考えをお尋ねしたいと思います。
5点目。内部検討の結果、昨年7月に市長に提案されたのは、先ほども言いましたように、10階、14階、18階の3案だと記載がありますけれども、最終的に18階が最適解とした理由について、ただいま述べましたコストという点と、メディアコスモスだけではなく、もう少しフェードアウトして眺めた周辺との景観調和の両面から、市長として語っていただきたいというふうに思います。
いずれにしましても、初当選の折から市長は、行政は究極のサービス業であるというふうに選挙戦のキャッチコピーで使われております。とても重要な考え方であり、私も共感するわけですが、まさにこうした理念を持つリーダーとして、ぜひ百年の大計とするこの新庁舎の建設については、今回の設計に至った説明責任を十分に果たしていただきたいと願うところです。

過去のブログより
新庁舎建設と近隣住民説明会(17/02/08 wed)

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表題の会に出席しました。市側からこれまでの経緯が説明され、質疑でも特に大きな異論も出ず散会。終了後には「大きな異を口にしてももう決まっているから」と言われてしまいましたが、私はこの件については以前より設計プロセスに問題ありと表明しています。添付写真(説明書)が本来のプロポーザルで選定委員会で選ばれた案。これはなぜか「広報ぎふ」等通じて市民の皆様に広報されませんでした。そして、もうひとつの添付写真が市が「広報ぎふ」でも公表した基本設計パースです。形状が全く異なります。市側は広報した案を「最適解」と口にしますが、本来は選定委員会で選ばれた案をきちんと説明書も含めて公表し、これに基づいて設計業務を進めるのが筋です。私は新庁舎建設には賛成ですが、設計プロセスは疑問の立場です。市長にはこの進め方は問題だと伝えています。

過去のブログより
新庁舎建設プロセスに疑問(16/02/29 mon)

今朝は、中日新聞・岐阜新聞それぞれに昨日の総務委員会で協議された「岐阜市新庁舎建設基本設計案」に対するパブリックコメントの概要と今後の市側の対応についての記事が掲載されています。昨年5月に行われたプロポーザル方式により採用された9階建ての低層庁舎案は一般公開せず(その時点で何度も問題を指摘しています)、11月に初めて一般公開した案は18階建てで、岐阜市はさも原案かのように広報しています。昨年の選定委員会は何だったのでしょう。プロポーザルで「低層庁舎」を提案した業者が選ばれながら、発注者である岐阜市の意向で「高層庁舎」へ大幅に設計変更させられ、一方で「高層庁舎」を提案した業者が落選した事実もあります。高層化への疑問をはじめ、プロセスを巡る疑問が数多く寄せられた76件のパブリックコメントを全て拝読しました。現在の市のスケジュールでは、市民の皆さんから寄せられたパブコメに対する市の回答は、3月議会閉会後であること、つまり市側がパブコメに対する回答を示した日が基本設計案の「案」が外れる日であること。そのまま実施設計に入る進め方に、誠意が感じられません。私は建設には賛成ですが、このたびのプロセスには疑問が否めません。

過去のブログより
岐阜市新庁舎は高層化でいいのだろうか(15/10/21 wed)

新市庁舎建設に関連し、市議会各会派では議会フロア部分について、市民ワークショップなどを行って頂いたご意見を設計に反映するための調整が始まっています。

さて、議会フロアの図面が示されたため、そこから察する計算により、市長が述べた「元通りの中高層庁舎になりそうだ」という意味が明確になりつつあります。推計・地上65メートル級(17~18階建て)。65メートル級というのは、岐阜県海津市にある治水タワーとほぼ同じ高さです。金華山や長良川などの歴史的景観を後世に継承していくための岐阜市の大切なシンボルを目の前に、高さ65メートル級の新庁舎建設が見え隠れします。以前も書きましたが、今春のプロポーザル方式で事業者選定審査会により選ばれた佐藤総合計画さんの原案は、岐阜らしい景観調和、すなわち低層庁舎を前面に示した「低層9階建て」でした。「プロポーザル方式は、あくまで事業者を選ぶもので、設計の変更はあり得る」と岐阜市側は何度も説明をしていますが、来月公開の岐阜市新庁舎基本計画が本当に17~18階建てとなると、当初の案からは全く異なる基本計画に大きく変更されることになります。
一方、同じ佐藤総合計画さんが新庁舎建設を手がける全国の複数の自治体関係者や大手ゼネコン関係者に対して、この半年間あちこち歩きましてレクチャーをお願いしますと、「プロポーザル方式で採用された原案からの大幅変更は聞いたことがないです。基本的には原案通り・あるいは微修正でに進むのがプロポーザル方式です」との説明も受けています。こうした全国の事例から察するに、市長は予測される今回の大幅変更をどう説明するのでしょうか。
無論、大幅変更は発注者(岐阜市側)の意向が反映されてのことと推察します。市民ワークショップでも機能性や環境負荷の軽減、景観調和など、低層庁舎への市民の皆様の期待の声が多く寄せられましたが、それを覆してまでの合理的な理由は、メディアコスモスへの日影問題や広場の確保以外に何なのか。発注者はあくまで岐阜市ですが、それを担っているのは紛れもない市民の皆様おひとりおひとりです。新市庁舎は高層化でいいのだろうか。議会人として、きちんと質していきたいと思います。
写真①:治水タワー(65メートル級・岐阜県海津市)
写真②:当初の原案(本年5月のプロポーザルで採用されたはずの低層庁舎案)