【 バトンをつなぎ多職種連携で尊い命を守る( 17/08/10 thu )】日本福祉大学の多職種連携現場体験会にお招きを頂きました。喘息性気管支炎を患い、気管切開により痰の吸引を必要とした1才5ヶ月の男の子の保育園の受け入れに関する6年前の相談の経過報告のためです。きっかけは、重症心身障がい児施設「すこやか」(岐阜県総合医療センター)に務める友人からの一本の電話から始まりました。
相談を受け、岐阜市の担当部に(1)医療的ケアが必要な子どもの保育園の入園に関する相談件数と現在の岐阜市の対応状況(2)保育所に看護師を配置あるいは保育士が吸引を行えるように研修を受けることが可能かどうか、ひいては男の子の受け入れは可能か、の2点の確認を行い市当局の対応を待ちました。その後、岐阜市から岐阜県に医療的ケア研修の実施を要望し、市の保育士が小児外来の実習を受講してくれたことで、受け入れが実現しました。このたびの経過報告の依頼を受けて、久しぶりに男の子のお母さんに電話すると「息子は今年から小学校へ通っていますよ!学校の先生方もとても協力的でお友だちにも恵まれ、いまは水泳もできるようになりました。とても元気です☆」とのこと。受け入れが実現した保育園で関わった保育士からは「この春の卒園式では『大きくなったら歌手になりたい』と言われ、涙がこぼれました」と、感動的なシーンを伺いました。
「断られても決して諦めなかったお母さんの熱意が、看護師や保育士、行政職員など、関わった全員が顔を合わせることがなくても、結果的に多くの職種の連携につながりスクスク成長した男の子の今を迎えることができたと思う」と、司会者のコメント。まさに、バトンを繋いで多職種連携で尊い命を守る、そんなお手伝いの一端を担う機会を頂けたことを踏まえ、改めて日頃からの職をこえた連携の大切さをこちらが学ばされています。これからも健やかな成長を心から願っています。