【 首長と国政選挙( 17/10/03 tue )】新聞報道は連日構図が変わる衆院選一色となってきましたが、首長とはどういう職なのかを改めて考える良い機会ともなっています。8月に天に召された私の亡きおとっつぁん・梶原拓前岐阜県知事を偲ぶ会を今月26日に控え、その準備に関わる過程で、お問い合わせや取材を受ける機会が増えてきました。梶原前知事は在任中、それまでの国への要望陳情型の知事会を改め、自ら全国知事会長に立候補。当選後すぐに「闘う知事会」を掲げ、税源・財源・権限の三位一体改革による「地方分権」社会を標榜して当時の小泉首相とタイアップ、地方の知事の仲間をつくることに力を尽くされました。「改革派知事」という言葉も新聞紙面によく出ていた時代です。生前中はよく「しかしあの『闘う知事会』は結局のところ『郵政解散』という国政の権力闘争の中で埋没してしまった」と、いつも悔しさを滲ませていました。知事を辞められてからしばらくして、「改革派知事の時代」という本を橋本大二郎前高知県知事の特別秘書を務められた川竹大輔さんが出版され、梶原前知事も取材を受けられましたが、今や知名度のある知事は専ら東京など一部の大都市だけで、あの「闘う知事会」のときのような、田舎の知事の名はあまり聞かれなくなりました。首長は言うまでもなく自らの地域の善政を行うことを第一義としながらも、国のあり方も大いに論じていく立場です。そのために地方6団体である知事会や市長会、町村長会、そして議会側もまた都道府県議会議長会、市議会議長会、町村議会議長会があります。こうした既存のネットワークは何処へやら。日本の構造からして、東京に電波が集中する報道各社からは、連日のように衆院選一色であり、スポットライトを浴びる場所に目が向かうのは仕方のないことではありますが、二兎を追う者は一兎をも得ず。地方のあるべき姿をきちんと論じ善政を行いながら、時に国とも闘う地方6団体を取りまとめる、そしてこの国のかたちをつくる、本来はそんな地方側のリーダーが大切だと、亡きおとっつぁんを偲ぶ会の準備を進める中、連日の報道を横目にひしひと感じています。
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