【 突然の訃報と温かな雪の花( 22/02/05 sat )】「突然の訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます…」よく聞く弔電のくだりですが、その突然が家族だったとしたら…。今週は私にとりお世話になっている方々の弔問が続く1週間でしたし、社会でも政治的な影響を及ぼした方への礼のつくし方への論争が見られた1週間でした。
石原慎太郎元都知事の訃報を受けて、政治的立場の異なる方が亡くなった時の礼の尽くし方として称賛されたのが共産党の志位さんでしたが、身近にもエピソードがありました。約1年前の岐阜市議会での出来事です。前の年、細江茂光前市長が突然亡くなり、その1年後の岐阜市議会で「名誉市民」の称号に関する議決賛否の時でした。登壇されたのは共産党の堀田市議でした。曰く「彼氏(細江さん)とは口角泡を飛ばさんばかりの議論をこの議場でいたしましたが、そんな直後にはよく私の携帯に彼氏から着信がありました。時には飲みにも誘われたけれども、ただの一度も一緒に飲むことはありませんでした。しかし舞台から降りられたこともあり、もし次にお誘いを受けた時にはお受けしようと決めていた矢先の訃報でした。もうかかってくることのない彼氏の携帯メモリですが、消せない。淋しい思いがします。しかし名誉市民の称号とは別、私どもは、この案件に対して採決は遠慮させていただきます。追悼めいたものになりましたが御容赦願います。ありがとうございました」と、議場から退席されたのです。共産党が議決から退席されたのは初めてだったように思います。反対の政治的立場を貫きながら、人間味溢れる追悼の言葉をたくさん残された。細江前市長の、政治的立場の異なる方への知らない一面を改めて知る機会ともなり、血の通った人間味を双方より感じ取り、感銘を受けたものです。
コロナで通夜葬儀の参列がほぼ皆無となり、代わりに個別に弔問するスタイルが主流になってきた昨今において、今日は先週まで普段と変わらず生活していたご家族を突然亡くされたにも関わらず、いつも通り営業されていた店主を訪ねました。昨日は商店街の旗の取り付け作業にも参加されていました…。大雪に見舞われた今日の岐阜市。亡くなった家族が大事に育てていたというお花が「こんな雪の朝に庭先で咲いていたので…」と店先に飾られていた菊の花に、いつも励ましのお声かけを頂いた在りし日を思い起こしながら、心から手を合わせました…。