【H26.12定例会】⑦ オープンデータの活用による新たなまちづくりについて
▼ 質問(和田直也)
→ブロードバンドの普及、スマートフォンをはじめとする端末機器の能力向上に伴い、国や自治体などが所有する公共データの内、公開しても差し支えのない、いわゆるオープンデータによるビジネス活用への期待が高まっています。総務省では、一昨年に「電子行政オープンデータ戦略」が策定され、公共データの透明性向上、官民協働による公共サービスの提供、これに伴う新しいビジネスの創出や企業活動の活性化に期待するなど、全国の自治体に取り組みを進めるよう要請しています。
先進的取り組み事例として、福井県の鯖江市では、地元のIT企業関係者等により「データシティ鯖江」が提案され、公園のトイレの位置、災害時の避難場所、AEDの設置場所、WiFiアクセスポイントの位置、コミュニティバスの位置情報などを公開しており、これをアプリ開発などで支援をしています。また、愛知県の半田市ではFix-My-Streetというアプリを活用し、穴ポコの道路や凹んだフェンスなどを見つけた市民の皆さんが、スマートフォンで撮った現場の写真を市役所の担当部へ直接送信、迅速な対応が可能となり好評を得ています。議員の皆さんも日々経験されていると思いますが、街灯を付けてほしい、傷んだ側溝を直してほしい、フェンスを取り付けてほしいなど、市民の皆様から頂く日々のご要望についても、大きな予算を伴わない修復等については、こうしたオープンデータの導入により、より迅速かつ効率的な対応が可能になるものと期待をしています。他にも、落書き情報や不法投棄情報などを通報するシステム、病院の待ち時間情報を予め把握できるシステム等も開発されており、オープンデータの活用には、まさに新たなビジネス開発へのヒントがたくさん転がっています。
そこでお尋ねします。岐阜市の情報政策を司る行政部長として、こうした世の中の流れをどう理解しているか、担当部として対応すべき課題は何と心得ているか、オープン化するデータによっては、部局間の横断的な調整も必要になると思われますが、庁内連携をどう構築していくか、その策をお尋ねします。
▼ 答弁(行政部長)
→オープンデータに対する世の中の流れをどう理解しているかについてでございます。
本市においては、これまで主に市から情報を発信するツールの整備とともに、電子メールやフェイスブックの投稿などにより、市民の皆様から情報提供を受けておりました。しかしながら、民間調査会社の調査によりますと、平成26年9月末におきまして初めて我が国の携帯電話契約数の半数以上がスマートフォンになったとのことで、今後ますますスマートフォンのアプリケーションを利用してリアルタイムに情報提供や情報発信をする双方向での情報のやりとりが活発になると考えております。
また、オープンデータについては、現在、本市ではホームページ上で人口統計や岐阜市統計書などの統計情報や、避難所を初めとした地図情報を公開しており、特に避難所のマップについては、本荘地区において要援護者避難訓練で県域統合型GISを活用して実施されております。このように公共データのオープン化は、地域の課題解決や官民協働による公共サービスの実現に向けて有効な手段であると考えております。
次に、2点目の、担当部として対応すべき課題認識についてでございます。
オープンデータは、情報保護の観点からデータの公開範囲を厳格に決める必要があること。また、市民や企業などがオープンデータを横断的に利用できるアプリケーションの開発や普及を促進するために、データ形式の統一化や利用のルール化が必要であること。さらには、インターネットを介してデータを公開することから、情報セキュリティー対策など、障害発生時のリスク対策が必要であることがこれからのオープンデータ利活用についての課題であり、円滑かつ効率的になされる環境整備が重要であると考えております。
3点目の、オープンデータ活用に向けた庁内連携についてでございますが、現在、国は電子行政オープンデータ戦略に基づき、オープンデータを推進するための一環として、自治体向けにさまざまな課題の解決に向けたガイドラインを作成しているところでございます。今後、国が策定するガイドラインや他都市の状況を参考にデータを保有する部署と連携して、まちづくりや市民サービスの向上に資するデータの公開に取り組んでまいりたいと考えております。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中
→オープンデータに関しては、その活用に期待が集まる一方、実際には利活用が進み難しい状況でもあり、総務省主導で利活用の施策を推進しており、これら取り組みや先進事例を検証するともに、政府の進める自治体ようオープンデータサイト「公共クラウドシステム」、岐阜市ホームページへの各種データ公開を実施しています。
岐阜市の取り組み:公共クラウドシステムへ岐阜市観光情報登録(新規)統合型GISによる各種地図情報の公開(継続)岐阜市ホームページでの統計情報の公開(継続)(行政部回答)