【H28.03定例会】④ まちライブラリーの今後の展開について
▼ 質問(和田直也)
→オフィスの一角やお寺の本棚、あるいは病院の待合所や喫茶店にある本棚など、小さな本のスペースを活用して人々の交流を促すまちライブラリーという考え方が、今、全国各地に急速に広がっております。このまちライブラリーの提唱者による講演会が先般メディアコスモスで開かれまして、私も参加させていただきました。本を通して、大学や商店、行政や企業、若者からお年寄りまで幅広くネットワークやテーマコミュニティーが形成されていくと、まあ次世代型図書館のあり方の1つとして、意義ある活動と感じた次第です。
既にネット上には、まちライブラリー登録の全国各地の大学やオフィス、商店、個人宅が直接結ばれ、本の著者を招いた講座を開いたり、本の愛好家が集う読書会を開いたりと多彩な交流が繰り広げられ、まちのにぎわいにも一役買っております。
次の質問項目でも触れますが、先日開かれました中心市街地回遊性協議会のシンポジウムでも意見されましたが、最近はメディアコスモスのにぎわいをまちなかへつなげようとの機運も高まっており、まさに本をテーマとしたネットワークづくりが求められます。例えば、中心市街地でいえば、柳ケ瀬あい愛ステーションの一角を活用し、このまちライブラリーを開設できないかとの声も上がっております。
また、半ば駄じゃれのような提案でもありますが、先日、柳ケ瀬商店街振興組合連合会の会議の席上でも提案がありましたので、御紹介したいと思います。
それは、岐阜市内の「本」と名のつく通り、例えば、柳ケ瀬本通りとか、あるいは金華地域の本町、加納本町とか、加納新本町とか、あるいは早田本町、長森本町、清本町など、「本」と名のつくストリートや広場など、岐阜のまちじゅうに本と触れ合うスペースがこのまちライブラリーという形で点在し、メディアコスモスとレファレンス等でも連携されると。あるいは関連の本を貸し出すことなどによってコミュニティーを形成することであります。本によってコミュニティーを形成する。これは岐阜市をボストンのような都市にしたいという、この細江市長の教育立市の1つの姿としても合致する点があるのではないかと思います。
また、まちライブラリーは、喫茶店の多い岐阜のカフェ・モーニング文化とも相性がよいと思われます。今後、農林部が行う「ぎふ~ど認定事業」のように、公共施設とか、あるいは民間施設のカフェスペースにある小さな本のスペースをまちライブラリーとして積極的に指定を促していくことは、今後の岐阜市都市ブランド構築の中でもぜひ議論を巻き起こしてほしいと願うものであります。
特にメディアコスモスとの連携という点で岐阜市の考えをお尋ねしたいと思います。
▼ 答弁(教育事務局長)
→まちライブラリーとは、まちのカフェやギャラリー、オフィスなどの一角に共通の本棚を置き、そこに市民の皆様がメッセージつきの本を持ち寄り交換しながら、人と人との縁を紡いでいく活動であると、その提唱者の方から御紹介されております。
こうしたまちライブラリーの活動は、岐阜市立図書館といたしましても、図書館とまちをつなぐ事業として注力していきたい企画の1つであると考えております。そのため本年1月に、「本が人をつなぐ」と題しまして、まちライブラリー提唱者を招いた講座を開催いたしました。講演後には、参加者みずから収集した本を地域の方々のために活用してほしいとの意見が出されるなど、この事業への手応えを感じたところでございます。また、今月5日から18日まで中心市街地で開催されている映画の上映会の際に、図書館から映画のテーマに関連する図書を映画館のロビーに展示し、興味を持たれた来場者が手にとってもらえるような取り組みを実施しているところであります。
中央図書館では、本の貸し出しという従来型の枠組みにとらわれない、本を介して人とまちをつなぐ次世代型図書館としての運営を目指しており、まちのにぎわい創出や情報発信拠点として地域の魅力発信にも努めてまいりたいと考えております。
その手法の1つとして、まちなかに本がある環境をつくり出していけるよう議員御案内の柳ケ瀬あい愛ステーションを初めとした中心市街地の施設に本を設置していくなど、市民によるまちライブラリーがより多くの方々に認知され、その活動が広げられるよう関係機関と協議してまいりたいと考えております。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
→質問から概ね1年後をメドに議事調査を行い、進捗状況をご報告します。