【H24.09定例会】② ミニおんさい広場と食の原点回帰について
▼ 質問(和田直也)
→この夏、長年の地域の夢が1つ実現をしました。それは、とれたて野菜のおんさい広場が中心市街地に誘致されたということです。これは市商連・岐阜市商店街振興組合連合会の熱烈な誘致交渉によるもので、JAぎふの協力で神田町6丁目にミニおんさい広場として8月24日にオープンをしました。少ない限られた予算の中で役員も総出で空き店舗の大掃除や、あるいは商品ケースの搬入に取り組む姿というのは、何としても空き店舗をゼロにしたいと、何としてもまちを元気にしたいという熱意そのものでありましたけれども、それだけにオープンの喜びもひとしおでありました。
そんなミニおんさい広場でありますが、先日訪れたお客さんからこんな言葉がありました。「野菜少ないねえ。」という声です。確かにロットが少ない中で、店舗面積からすればそんな声も真摯に受けとめなければとの思いもしましたが、よく考えれば、私たちは長年にわたる利便性の追求の中で、食の原点というのを忘れてしまってきているのではないかと、そんなことさえ感じました。
というのも、私たちというのはスーパーマーケットに行けば、春野菜も夏野菜も秋野菜も冬野菜もハウス栽培の普及というものもあって、もういつでもそろっていて当たり前という、こういう生活や感覚になれ親しんできているからではないかと感じたからです。
ことしの2月から3月にかけて教育委員会が市内各地で開いたぎふ教育フォーラムの席上で、こんな意見を出される方がいらっしゃいました。「私たちは正月が落ちつくころになると七草がゆというのを食べますけれども、その七草って全部言えますか。」というふうに尋ねると、セリ、ナズナ、ゴギョウといったぐあいに、その知識をもとに答えられる子もいるけれども、「じゃあ、この草は何でしょう。」というふうに本物を目にすると、どの草がどれなのかよくわからないと、こういうことがよくあるという話でありました。
それらをきちんと伝えていくことが教育ではないかと、生活の知恵や工夫を単に知識だけではなく、体験、体感させていくことの重要性が問われた一幕に居合わせました。スーパーに行って、この野菜は夏野菜、あるいは、これは冬野菜というふうに、きちんと子どもたちに伝えていけるというふうに自信を持って言える大人というのは果たしてどれくらいでしょうか。食の原点回帰というのは、ひょっとすると、もう一度この不便というのを理解することなのかもしれません。
しかし、私たち日本人が忘れてきているのではないかと昨今言われております季節感、随筆家の寺田寅彦は「日本人の自然観」というエッセーを書き残しておりますけれども、まさにおんさい広場は、その日の朝とれた野菜をその日のうちに地域の消費者にお届けするという地産地消の原点に回帰した取り組みを推進しているわけですから、立市ビジョンに地産地消を掲げる岐阜市としましても、いま一度日本人の自然観に根差した食の原点回帰というのを啓発していく必要があるように思います。ミニおんさい広場への支援策も含めて農林部長のお考えをお尋ねをします。
▼ 答弁(農林部長)
→現在スーパー等の量販店では年間を通して、国内のみならず、海外から仕入れた多種多品目の野菜が売り場をにぎわし、大量に販売されております。こうした傾向は消費者の選択肢が広がり、豊かで多様な食生活を送れるようになった一方で、野菜本来のしゅんの時期や食材に対する季節感、地元農産物に対する認識や愛着といったものが薄れているのも事実であります。
現在、本市では地産地消の取り組みを進めております。この地産地消は地域でとれたものを地域で消費するとともに、議員の御紹介のとおり、しゅんの農産物を市民の皆様に知ってもらい、食してもらう食の原点回帰とも言えます。
今般、神田町6丁目にオープンいたしましたまちなかステーション神六には、地元でとれた新鮮な農産物を販売するミニおんさい広場を設けられており、生産者の顔が見える安全、安心な地場産農産物が販売されております。ここでは広く市民の方にしゅんの農産物を知っていただき、野菜が持つ本来の味わいを感じてもらえる情報発信の場になるという効果も期待できます。このミニおんさい広場を今後、本市が地産地消の取り組みとして進めております地産地消推進の店に認定するなど、JAぎふ等関係機関と連携を図り、地産地消の一翼を担う食の原点回帰を推進してまいります。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ ○ 達成・実現
→ミニおんさい広場「まちなかステーション神六」を平成25年1月に「岐阜市地産地消推進の店(ぎふ〜ど)」に認定しました。(農林部回答)