【H25.06定例会】④ デザイン性の高いコミュニティサイクルについて
▼ 質問(和田直也)
→私はかねてより、これからの都市政策には、利便性、機能性、事業の採算性に加えて、デザイン性が加わらなくてはならないと考えています。誰もが快適に過ごすことができるという意味でのユニバーサルデザインしかり、行ってみたい、見てみたい、そんなわくわくする魅力を感じさせられるデザイン性が岐阜市にも求められています。
岐阜市にぎわいまち公社が運営するレンタサイクル事業は、多くの行政視察を受け入れられるなど他市からも注目される事業として、利便性、機能性など多くの点で高い評価の声が聞かれます。しかし、その一方で、引き取った自転車の中には、当たり前といえばそれまでですが、形や色が異なる自転車が集まる中で、車輪部分にグリーンとブルーの色彩のがありますけど、この色彩とはアンバランスなものもあり、乗ってみたいという意味ではまだまだ磨きをかける余地が大いにあります。
最近、私は縁あって「CURIO」という名のメード・イン・岐阜、岐阜市産のベビーカーを購入しました。自転車やベビーカー市場に新しい息吹をと、新規事業開発補助金、産学官連携事業補助金など、岐阜市商工観光部の制度を活用して生まれた商品でして、既に名古屋や東京を初め、海外ではその高い機能性やデザイン性が評価されていると伺っております。また、それが岐阜市の補助金を使って生まれたものとあれば、市議会議員としては放って見ているわけにはいきません。現在では新聞配達のイメージをスタイリッシュなものに変えたいということで、新聞店とのコラボで機能性、デザイン性の高い「UTILITE」という業務用自転車の開発にも取り組んでいるとのことです。新しい分野に果敢に挑戦するこうした市内企業はぜひ応援したいと思いますが、先日は名古屋市が行うコミュニティーサイクルの社会実験に実際にこの企業が製造したスタイリッシュな自転車が採用されたこともあり、ますます注目度を増しております。
さて、岐阜市のレンタサイクルについてです。
都市建設部におかれましては、機能性、利便性、事業の採算性、また、デザイン性についても不断の努力はされているとは思いますが、せめて色彩をそろえるとか、あるいはスタイリッシュな自転車の導入も含めて、乗ってみたいともっと思えるような事業に向けて、もう一歩の前進をお願いしたいと思います。あわせて平日は岐阜へ出張されたサラリーマンの利用者も多い中、休日は家族連れの姿を見かけることもあります。そうした利用者からも聞かれますけれども、ぜひチャイルドシートつきの自転車の導入についても検討できないか、お尋ねをします。
加えて、ポートの標識についても、もう少し目立つもの、あるいは、わかりやすい表示を求める声も聞かれます。今後、基盤整備部が市内中心部において、自転車優先レーン、自転車走行空間を整備する方針もあることから、そうした事業との連動も期待をしまして、あわせてお尋ねをします。
▼ 答弁(都市建設部長)
→スローライフのまちづくりを進める本市では、市が有する魅力的な観光地へのアクセス手段として、また、人と環境にやさしい交通手段として、平成17年度からぎふ・まちなかレンタサイクル事業を実施しております。事業実施に当たりましては、物を大切にするという考え方から放置自転車を活用しております。また、気軽に御利用いただけますよう料金を1日1回100円と設定しておりますが、事業に理解のある企業からの広告収入を運営費の一部に充てるといったことも行っております。事業を開始した1年間の利用者数は約4,400人でしたが、これまでレンタサイクルポートを増設したり、どのレンタサイクルポートにも返却できるようにするなどの変更も行ってまいりました結果、昨年度は1万4,000人を超える方に御利用いただいているという状況でございます。
御質問の1点目、デザイン性の高い自転車の導入についてでございますが、そうした自転車は都市のイメージを高めること、また、同一規格の新しい自転車でありますことから維持管理や保管が容易であることに加え、導入してしばらくの間はメンテナンスに要する費用は少ないものと考えられます。一方、現在の方法は、さきにも申し上げましたように、放置自転車を再利用することによる環境への配慮をPRできること、また、初期の投資費用が安くて済むといった利点が考えられます。したがいまして、今後、初期費用と維持管理費用を含めた経済比較や、利用者の立場から見た使いやすさなどにつきまして、他都市の事例も調査し研究していきたいと考えております。
2点目の、チャイルドシートつき自転車の導入についての御質問にお答えいたします。
平成23年度から福祉部では、岐阜市3人乗り自転車貸出事業を実施しております。この事業は、2つのチャイルドシートのついた電動アシスト3人乗り自転車を研修を受けられた方に限定して貸し出すというものでございます。今年度末で事業開始から3年が経過し、この事業が見直されることに伴い、一部の電動アシスト3人乗り自転車をレンタサイクルとして利用するため、関係部署と調整してまいります。なお、研修を受講されていない方にも貸し出しができますよう2つあるチャイルドシートの1つを取り外すことも検討してまいります。
3点目の御質問、レンタサイクルポートの案内標識の設置についてお答えいたします。
現在レンタサイクルポート周辺では、そこで自転車が借りられることを示す標識を設置しております。長良川を表現する青い輪と金華山を表現する緑の輪を配置したデザインで、レンタサイクルの車輪をイメージしたものでございます。加えて、市中心部の各所に設置してあります藍色の歩行者系サインにもレンタサイクルポートの位置を明示し、その周知に努めているところでございます。
また、岐阜市自転車散策マップ「ぎふポタ」や「岐阜市まちなか歩きガイド」マップを初め、さまざまな観光マップにもレンタサイクルポートの位置を記しております。さらに、携帯電話を利用して市内の散策コースや岐阜の名産品などの情報を提供している岐阜市ケータイサイト「ぎふ・いざナビ」でもレンタサイクルポートの位置を初め、利用料金や利用時間などについて御案内しております。
今後は現在、急速に普及しておりますスマートフォンに「ぎふ・いざナビ」も対応するよう検討しておりますので、その中でよりわかりやすいレンタサイクルポートの位置や情報を提供できるようにしていきたいと考えております。
▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。
■ 進捗度評価 ・・・ ○ 達成・実現
→デザイン性の高い自転車の購入については、初期費用と維持管理費用を含めたトータルコストと、利用者の立場から見た使いやすさとその料金設定について、他都市の事例を調査し、研究しています。チャイルドシート付自転車の導入については、今年度より譲渡された10台の電動アシスト3人乗り自転車をレンタサイクルとして利用できるように配備しています。また、ポートの位置や案内標識については、昨年10月からスマートフォンサイトの運用を開始したことを受けて調整を行い、平成26年1月より発信します。(都市建設部回答)