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▼ 質問(和田直也)

→お母さん、お父さんの声から生まれた新母子健康手帳、通称親子健康手帳というのを御存じでしょうか。民間企業や市民有志により構成されております親子健康手帳普及協会というのが主体となりまして、全国の自治体に普及の呼びかけを行っております。
この実際の親子手帳というのはこれでありますが、開いてみると、通常の母子健康手帳とさほど大きな差異はないわけですが、要所要所にお母さんだけではなくて、お父さんからも、あるいは、その子の成長にかかわる人がコメントできるような欄が設けられていたりですね、子どもの医療歴とか、お薬歴というのを成人まで残せて、子どもが成長して大人となり、親となったときにも役立つよう編集されているなど、今日的な工夫が施されております。
子育てというのはお母さん任せではなく、お父さんも、あるいは、おじいちゃん、おばあちゃん、さらには、地域全体でとイクメンやシッターなど多くの呼び名にも親しみを持って語られるようになった今日、県では父子手帳も交付するなど、さまざまな事例が見受けられます。
そもそも母子健康手帳というのは母子保健法により定められたものでありまして、通称として、この親子健康手帳のように別の呼び名を用いることには、特段の定めはありません。実際に国においても改正をめぐる議論をされたいきさつもあります。平成26年4月1日現在、この親子健康手帳の呼び名を含めて、母子以外の名を通称としている自治体は、全国で178自治体に上りまして、県内では笠松町とか富加町、美濃加茂市が、岐阜市と同規模の中核市では奈良市と福山市がそれぞれ採用しております。
岐阜市では子育て・教育立市を標榜し、今年度からは子ども・若者総合支援センターを開設、来年度には仮称・子ども未来部の開設へ向けて、その準備に現在入っているところです。私自身親となり、この母子健康手帳に触れる機会というのがふえてきているだけに問題意識を持ったところですが、この母子健康手帳は、そもそも未就学児までを想定したつくりになっておりますが、小学校へ入ってからもワクチン接種であるとか、子育てにおける健康維持については、その後も欠かせない場面は幾つもあります。
先ほど、この質問の冒頭でも触れましたが、この親子健康手帳というのは、子どもが成人になるまでの医療歴とか、お薬歴を残すことができる工夫も凝らされております。今後、岐阜市にも仮称・子ども未来部が創設されるのを契機に、そんな点にも十分配慮した親子手帳、子育て手帳とも言うべき新しい母子健康手帳のあり方というものを検討していただきたいと願いますが、まずはこの通称としての名称について、今後、現在の母子健康手帳の在庫が切れて新しく印刷に入るような段階などにおいて、こうした通称を用いて子育ての多様性を啓発する可能性や、そのあり方を変えていってもいいのではないかなと考えますが、現行制度において所管されています健康部長の考えをお尋ねします。

▼ 答弁(健康部長)

→親子手帳についてでありますが、母子健康手帳につきましては母子保健法第16条第1項において、妊娠の届け出をした者に対して市町村が交付しなければならないこと、また、同条第2項には、妊産婦、乳児または幼児が健康診査または保健指導を受けたときに必要な事項の記載を受けることが規定されております。市町村から交付されました母子健康手帳は、妊娠、出産、乳幼児期の一貫した健康記録として母子の健康管理に役立つだけでなく、この記録を参考にして保健指導が行われており、母子保健対策を進める上で大変重要なものであります。
最近では核家族化が進み身近で相談できる人が少なくなってきていることから、妊娠中あるいは出産後の子育てについて不安や悩みを抱える母親がふえてきております。こうした社会情勢から、父親を初めとする家族が妊娠中あるいは出産後の母親をサポートする必要性が高まっていることから、本市では母子健康手帳の交付に合わせ、原則として父子手帳を配付し、父親の育児参加を促しているところでございます。
母子健康手帳の親子手帳への名称変更についてでありますが、国において平成23年度に母子健康手帳に関する検討会が設置され、今後の母子健康手帳及び母子保健施策のあり方について検討されました。この検討会においては、妊産婦、乳児または幼児の健康の保持及び増進の重要性に鑑み、母子健康手帳の名称を変更しないことが適当とした母子健康手帳に関する検討会報告書が公表されております。しかしながら、最近の子育てには父母だけでなく祖父母等がかかわられることもありますことから、こうした状況を踏まえ、今後、母子健康手帳の名称につきまして、全国政令市衛生部局長会や全国保健所長会、また、県内市町村の母子保健担当者の会議等においての意見交換や情報収集を行うとともに、既に親子手帳などの名称を採用している自治体の状況を調査研究してまいりたいと考えております。

▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。

■ 進捗度評価 ・・・ ○ 達成・実現 
→現代では、核家族化の進展等により身近に子育ての相談ができる人が少なくなってきていることに加え、高齢者や女性の社会進出により、家族や地域において、子育てに関わる必要性が高まってきています。こうした中、父親をはじめとした家族が、妊娠中・出産後の母親をサポートし、子育てに関わる必要性が高まっています。平成27年度から、より愛情をもって子育てができるよう、母子健康手帳の最初のページに、新生児の出生の記録や写真、命名の由来等が記入できるページを追加しました。また、育児に関わる家族が出生から中学校卒業までの健康ステーション記録を継続的に記入できるよう、母子健康手帳に「小学生以降の健康の記録」と「中学生以降の健康の記録」を追加しました。名称については、国が設置した「母子健康手帳に関する検討会」では「母子健康手帳の名称を変更しないことが適当」と判断されており、岐阜市では「母子健康手帳」という名称を当面継続して使用する予定です。今後も、子育て環境の変化に適応した母子健康手帳の作成に努めるとともに、他市町や国の動向を注視していきます。(健康部回答)

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