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▼ 質問(和田直也)

→空梅雨が続いておりますが、5月や6月というのは犬、猫の相談の多い季節でもあります。先日、柳ケ瀬商店街振興組合連合会では、中心市街地における野良猫について、都市衛生の観点から大捕獲に取り組む一策を動物愛護の観点で活動する市民団体との連携で実施したいとの意見交換が持たれました。
市長におかれましては、本年2月に行われました市長選挙において、マイペットタウン構想を打ち出すということをマニフェストで述べております。この構想は、市民の皆様に対する犬、猫等動物の適正飼育啓発の講習会の実施であるとか、野良猫TNR──TNRというのはTrap・Neuter・Returnと、いわゆる不妊手術を行って繁殖を抑える活動の支援のことであります。また、殺処分ゼロを推進する動物愛護センターとの、それから譲渡業務の推進、さらには、災害時における被災動物救済ボランティア育成研修であるとか、こうした活動に理解のある地域コミュニティーづくりなど、まさに都市衛生と動物愛護と、両面からのこのアプローチによる新しい都市構想であります。岐阜市内には、こうした課題に積極的に対処しようとする若い担い手やNPOや市民団体が多く存在をしております。
一方、国においては、「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト アクションプラン」、これは通称牧原プランというふうにも呼ばれておりますが、環境省がこの6月に公表いたしました。プロジェクトでは、飼い主、事業者、ボランティア、NPO、行政等が一体となって命の大切さを啓発し、やさしさあふれる人と動物が共生する社会の実現を目標としております。
そんな中、愛知県で先日こんな事件がありました。警察署に届けられた捨て猫を保健所がその引き取りを拒否し、県動物保護管理センターの支所長さんがその警察署員に対して、その猫を逃すように指示したということで、動物愛護管理法違反、遺棄容疑で書類送検されたという事件であります、知事も記者会見しておりましたが。国が既にこうした指針を示しているにもかかわらず、まだ十分に連携がとれていない1つの事例かなと見てとることもできると思います。まさに立場を超えた連携が求められているテーマだと思います。
今後、飼い主に対しては所有者明示措置の義務化、飼う前に行う飼い方教室等への参加の義務化、事業者に対しては有料ペットショップのリーダーの認定制度であるとか、マイクロチップ装着の義務化の検討、自治体に対しては不妊去勢措置などの条件整備の検討など、総合的な対応、コーディネートが求められます。
一連のこうした流れの中で行われます岐阜市型マイペットタウン構想の策定に向けたスケジュールを含めて、健康部長の考えをお尋ねします。

▼ 答弁(健康部長)

→マイペットタウン構想についてでありますが、近年、動物愛護への関心が高まる中、ペットを家族の一員として考える飼い主がふえる一方で、無責任な飼育放棄や飼い主のマナーに起因する近隣とのトラブルが依然として見受けられます。また、東日本大震災では多くのペットが被災し、これらペットの救援についての課題が浮き彫りとなったところであります。こうした中、議員御案内のとおり、環境省は本年6月に人と動物が共生する社会の実現を目標に殺処分をできる限り減らし、最終的にはゼロにすることを目指す、「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト アクションプラン」を発表されました。また、岐阜県においては、平成20年3月策定の岐阜県動物愛護管理推進計画を本年4月に見直しされるとともに、動物愛護の取り組みの拠点として岐阜県動物愛護センターが開所されたところであります。
中核市の状況でありますが、動物愛護に係る条例を制定している市が9市、そのうち行動計画などを策定している市が2市ございます。また、動物愛護の拠点となる動物愛護センターを備えた市が11市ございます。このほか政令指定都市では、熊本市の「犬猫殺処分0」の取り組みが注目されているところでございます。
本市でありますが、動物愛護に係る条例や行動計画は策定しておりませんが、犬、猫の殺処分の減を目指し、全国に先駆け平成12年度からボランティアとの協働により、保健所に収容されました犬、猫の譲渡を推進してまいりました。この結果、ボランティアと協働する前の平成11年度には犬515頭、猫1,249匹であった殺処分数は、平成25年度には犬8頭、猫403匹まで減少しております。このほか飼い主不明な猫、いわゆる野良猫を捕獲し、不妊手術を行い、もとの生活場所に戻すことにより、繁殖を抑え、不幸な猫を減らす──議員御案内のTNRですね、──Trap・Neuter・Return活動を推進するため、この不妊手術の費用の一部を助成しております。
議員御質問のマイペットタウン構想でありますが、この構想の基本的な考え方は、市民の動物愛護に対する意識の向上を図り、動物の好きな人とそうでない人の理解を深めることにより、人と動物が共生する地域社会の実現を目指すことであると考えております。
この構想の実現に向けましては、今後、先進都市の取り組みを参考にしながら現状の把握と課題の整理を行うとともに、構想のあり方及び動物愛護に係る条例、あるいは行動計画の必要性の検討、さらに、譲渡施設や動物のふれあい広場などがあり、災害時の動物救援の機能も備えた動物愛護の拠点である仮称・動物愛護センターにつきましても、その機能や規模などについて調査研究するとともに、庁内部局や関係団体等とも検討するなど、マイペットタウン構想の準備を進めてまいります。

▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。

■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中 
→本年度は先進都市の視察として、全国に先立ち「殺処分ゼロ」を掲げ、動物愛護の推進に取り組んでいる熊本市の調査・研究を11月20日に実施します。岐阜市の動物愛護にかかる施策を検討する上での資料として、これまでの取り組み、課題及び今後の方針についてを取りまとめた「岐阜市の人と動物が共生できるまちづくりについて」を作成しました。その内容を踏まえ、条例制定を視野に、平成27年11月に開催される平成27年度第2回岐阜市保健医療審議会で「人と動物の共生社会の推進」について諮る予定です。。(健康部回答)

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