【 2号車5列目D席の紳士( 18/05/16 wed )】ほぼ満席の新幹線車内。トイレに席を立ち、座席に戻って駅弁の夕食を済ませ、一仕事と思いパソコン取り出すためカバン開けると財布がないッ。ハッと思い出してトイレに戻るも既にあらず…。気付くまでに約30分。やってしまいました…。焦りつつ通りかかりの車掌さんに「あの…」と聞けば「あ!お届け物で先ほど預かりました」と言うので、胸をなでおろしていました。車掌室へ移動し連絡先を記入。無事手元に戻りました。

「あの、どなたが届けてくださいましたか?」と尋ねると「2号車の、4列目か5列目の、D席かE席にお座りの50〜60代くらいの男性、スーツ姿のお客様だったと思いますが…。」と、メモに書いて教えてくださったので、すぐにお礼に伺いました。教えていただいた通りの容姿の紳士が5列目D席にいらっしゃったので、とっさに胸ポケットから名刺を取り出して、お礼のメッセージを書き心から感謝をお伝えしました。「あの、よろしければお名前か連絡先、お名刺を頂けませんか?」と、お尋ねすると「いえいえ、見つかって本当によかったです☆」と…。連絡先を何度お願いしても、ただただ頷きながら、にっこり笑顔でこちらを優しく眺めて座ってみえます。自らの不注意を恥じ入ると共に、紳士の心にただただ感謝の気持ちにて最敬礼していました。

のち名古屋に到着。乗換え下車すると、ホームで紳士と再会。すると「岐阜のためにがんばってくださいね☆」と微笑みながら話しかけられました。財布を拾って頂いた上、温かい心まで頂戴してしまいました。改めて「連絡先を…」とお尋ねするも、やはりにっこり笑顔にて頷きながら、大勢の乗降客の中へと階段を下りて行かれました。去り行く紳士に手を合わせながら、生かされていることに感謝していました。この度のご恩、紳士のメッセージ通り「岐阜のためにがんばること」により誠実に返していきたいと思います。

さて、自らの不注意戒めと、頂いた2号車5列目D席の紳士の温かい心を忘れまいと、車掌さんから頂いたメモ、以後大切に財布にしまっておきます。