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▼ 質問(和田直也)

→アーケードのある商店街、岐阜市民なら多くの方が柳ケ瀬商店街の姿を想像されることと思います。商店街の代名詞とも言えるこのアーケードは、今、全国的に老朽化が進む中、改修に向けて準備を進める商店街と、思い切って撒去をし、新たな商店街像を模索する商店街と、まさに原点に立ち返り、次の時代の大型投資をこのどちらに向けていくべきかという、その岐路に立たされております。
御存じのとおり、岐阜市においては柳ケ瀬日ノ出町商店街のアーケード改修費用が地元の合意形成をもとに昨年度の当初予算案に計上されましたが、既に二度にわたり経済産業省からの補助内示を得られず、いまだスタートを切ることができません。この間、全国の商店街においてはアーケードの改修はいずれも国の補助を得られず、将来にわたる維持費を懸念して、一時の負担を覚悟して撒去に踏み切る例も数多く見られるようになりました。ここへ来て、地元柳ケ瀬日ノ出町商店街としても、本当にこのまま改修に向けて労力を注ぎ続けていいものなのかどうかという心配する声が多く聞かれるようになっております。
では、撤去したらどうなるのか。これはこれで電柱をどうしていくのか、各戸の屋根や壁面をどういうふうにしていくか、側溝をどういうふうにしていくかなど、また、地元としても大きな決断となりますし、行政においては商店街としての連続性や、あるいは都心部の魅力など、まちの面としての意味もきちんと理解し、構想を描いていく必要があると思います。
この間の日ノ出町商店街アーケードが国の補助内示が得られないことについて、中部経済産業局からは、岐阜市が柳ケ瀬をどうしたいのかよく見えないと。例えば、目の前の旧長崎屋を初めとする大型空き店舗をどうすべきかと考えているのか、ここが見えてこないと国としても応援することは難しいなどといった意見が聞こえてきます。
民間所有の大型空き店舗について、行政が介入することの難しさはよく理解をするものです。しかし、そこに高い公共性や高いニーズ、そこを活用することで見えてくる新しい柳ケ瀬商店街の姿をきちんと描いていくということは、改修もだめ、撤去もだめと、応援できないという現在の国の厳しい財政状況も考慮すれば、一方では、岐阜市の主体性が求められてきたようにも思います。現に岐阜県の緊急雇用により実施された調査報告書によりますと、今後の商店街に望む機能として、公園を初めとする広場の機能、居住空間と一緒になった場所を望む声、ニーズがうかがえます。
さきにも触れましたが、予算の選択と集中という考え方は、市長が掲げる教育立市や健康・医療立市などといった分野についてのものにとどまらず、向こう30年から50年先には約30万人前後にこの岐阜市の人口規模が小さくなっていくことが人口予測からも指摘されるように、今後は社会コスト計算からも、都市の中のどの地域に予算の選択と集中をしていくのか、よく検討しなくてはならなくなるように思います。まさに都心居住、コンパクトシティーを掲げる現在の岐阜市の方針をより具体的に、既存商店街の新しい姿としても描いていかなければならないのではないかと思います。
さて、6月7日の各省庁版事業仕分けにおいて、商店街の活性化補助金が経済産業省で廃止と評価されました。また、お隣の一宮市ではアーケードの撤去についても国の補助が得られませんでした。先行き不透明で老朽化だけが進んでおります。中部電力は、老朽化が進むアーケードの上に設置されている変圧器が老朽化とともに落下をすることを懸念しまして、ことしの夏にもアーケードの撤去を待たずにアーケードの下に電柱を立てるという工事も検討されておられます。これは一宮市の話です。
商工観光部長におかれましては、こうした国や周辺市町を初めとする全国の動向について、きちんと地元柳ケ瀬商店街と情報共有しているでしょうか。官民一体となって撤去に踏み切った例としては、例えば、金沢市、福山市、名古屋市などがありますが、いずれの事例も無電柱化を含めた新しい商店街の絵が描かれております。
いずれにしましても、改修の場合、撤去の場合、どちらにおいてもあくまで地元地域の主体的な立場が大事ですけれども、岐阜市としても改修したらどうなるのか、撤去したらどうなるのか、その両方をきちんと情報収集し、提供し、共有しながら、まずは知恵絞りの環境をつくっていかなければと思います。よろしくお願いします。そして、さきにも申し上げましたように、大型空き店舗を活用した一体的な新しい商店街の絵をどう描いていくかも含めて、情報共有、環境整備を促してほしいと思います。
地元柳ケ瀬商店街振興組合連合会としましても将来の商店街の姿を模索されておられますし、岐阜市に対しても近く地元としての絵を描いた要望を出される旨も伺っておりますが、商工観光部長、これらの実態を踏まえて、お考えをお尋ねをします。

▼ 答弁(商工観光部長)

→柳ケ瀬商店街は、郊外型の大規模小売店舗の進出や経済情勢の停滞などの影響を受けて、近年では往時のにぎわいが失われております。そのような中で本市では1期中心市街地活性化基本計画に基づき、にぎわい創出に向けた取り組みを進めてまいりました。
さきの副市長の答弁ともダブりますが、ドン・キホーテ柳ケ瀬の進出や商店街振興イベントの定着などにより、一部エリアでは歩行者通行量は増加に転ずるなど一定の成果を上げておりますが、柳ケ瀬全体の活性化には至っていないものと認識しております。今後も引き続き、にぎわい創出に向けた取り組みは必要であり、中心市街地活性化の大きな柱であります便利で快適なまちなか居住を推進する上でも商店街の活性化は不可欠であると考えております。
商工観光部といたしましては、全国の商店街の活性化に向けた取り組みや魅力ある商店街共同施設整備の事例、また、支援策に関する情報の収集に努めるとともに、それらの情報を地元商店街の方と共有し、今後の柳ケ瀬地区の面的なあり方について商店街関係者のみならず、中心市街地活性化協議会を構成する関係者の皆さんと一緒になって研究してまいりたいと考えております。

▼ 質問&答弁、その後の進捗状況ご報告。

■ 進捗度評価 ・・・ △ 現在進行中 
→国等の商店街活性化施策に関する情報を収集し、商店街振興組合等に対して随時情報提供を行っています。平成25年度、アーケード修繕やアーケード灯・街路灯のLED化など国のハード整備の補助事業を活用した組合団体は18団体あり、ひきつづき平成26年度も複数の団体が活用する予定です。平成25年12月には、岐阜市中心市街地回遊性協議会が設立され、商店街関係者による面的なあり方について議論が進んでいます。(商工観光部回答)

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